木造住宅が急増も、住宅不足の解消には遠く及ばず
5年で3倍超に拡大した木造建築、それでも深刻な供給不足は続く
オランダの建築現場で、木材が存在感を増している。かつては屋根の骨組みや内装の一部にとどまっていた木材の活用が、いまや建物の躯体そのものへと広がりを見せている。新築住宅全体に占める木造住宅の割合は、わずか5年間で3倍以上に増加した。環境意識の高まりとともに、この「サステナブル建築」は業界のトレンドとして急速に定着しつつある。
木造建築が支持される理由
木材は鉄筋コンクリートに比べてCO₂の排出量が大幅に少なく、製造過程での環境負荷が低い。加えて、工場である程度の部材を事前に加工してから現場に運ぶプレハブ的な手法との相性が良く、工期の短縮にもつながるとされる。建設業界では職人不足が深刻な課題となっており、施工効率を高められる木造工法への関心は、コスト面からも高まっている。住宅デベロッパーや自治体の間でも、持続可能な都市開発の一環として木造建築を推進する動きが広がっている。
それでも埋まらない住宅不足の溝
しかし、こうした明るい流れをもってしても、オランダが長年抱える住宅不足という構造的な問題を解決する力にはなっていない。NU.nlの報道によれば、木造建築の急拡大はあくまで建築手法の多様化であり、絶対的な住宅供給数の増加には直結していない。建設コストの高騰、用地取得の難しさ、許認可手続きの遅延といった複合的な要因が、住宅建設全体の速度を押しとどめているためだ。専門家の間では、工法の革新だけでなく、規制緩和や資金調達の仕組みを含めた総合的な対策が必要との見方が強まっている。
オランダで暮らす人々への影響
住宅不足はオランダ在住の外国人にとっても切実な問題だ。賃貸市場の逼迫は家賃の上昇を招き、特に大都市圏では物件を探すこと自体が一つのハードルとなっている。木造住宅の普及が進むことで、将来的に新たな選択肢が増える可能性はあるが、短期的に状況が大きく改善される見通しは立っていない。オランダ政府はかねてより、2030年までに90万戸の住宅を新たに供給するという目標を掲げているが、現状のペースでは達成は容易でないとの指摘が絶えない。持続可能な建築の普及と、住宅供給の抜本的な拡大——この二つを同時に実現することが、オランダ社会にとっての喫緊の課題となっている。
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情報源: NU.nl


