インフレ鈍化でも食料品・固定費は依然高く――公式3%と体感8%の乖離
統計が示す数字と、財布が感じる重さはなぜ違うのか
オランダの公式インフレ率はピーク時の2桁台から大きく低下し、足元では**約3%前後で推移している。しかし、スーパーのレジで財布を開くたびに「また高くなった」と感じているオランダ在住者は少なくないはずだ。NU.nlの報道によると、多くの消費者が体感するインフレ率は約8%**にのぼり、公式数値との間に5ポイント近いギャップが生じている。
なぜ「体感」と「統計」はずれるのか
公式のインフレ指数(CPI)は、食料品から家電、旅行代金、外食費まで幅広い品目を組み合わせた「バスケット」全体の平均値で算出される。一方、消費者が日々直面するのはスーパーでの食料品代、家賃、電気・ガス代、保険料といった固定費が中心だ。これらのカテゴリは、平均的なバスケットよりも値上がりのペースが速かった経緯があり、今も高水準が続いている。つまり、統計上のインフレが落ち着いて見えるのは、テレビや航空券など購入頻度の低い品目が下落・安定しているためでもあり、毎週・毎月必ず支払う出費については実感と数字が合いにくい構造がある。
低中所得層ほど大きい家計への打撃
もう一つの要因は、所得層による消費構造の違いだ。収入の余裕がある世帯は趣味や旅行など裁量的な支出が多く、バスケット構成が統計に近くなる。しかし低中所得層の家計では、食料品・住居費・公共料金といった生活必需品が支出全体に占める割合が高い。こうした必需品が高止まりしているかぎり、公式数値がどれだけ改善されても家計の圧迫感は解消されにくい。節約志向が根付いたオランダの消費者行動にも、この傾向は如実に表れており、外食や買い物の頻度を意識的に抑えるという声は各種の消費者調査でも確認されている。
在蘭日本人への実生活への影響
日本からオランダに移住・駐在している方々にとっても、この「体感インフレ」は他人事ではない。スーパー各チェーンの食料品価格は2021年以降に大幅に上昇したまま定着しており、円安も重なって購買力の二重の目減りを感じている人も多いだろう。家賃や健康保険料(ゾルフテレステラン)なども継続的に上昇しており、給与が現地の物価上昇に連動していない場合は実質的な生活水準の低下に直結する。公式統計の改善を「物価が落ち着いた」と受け取るのではなく、自身の支出構造に照らして家計を点検し直すタイミングとも言えそうだ。
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情報源: NU.nl

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