スフールズマ外貿相、8年ぶりの閣僚級ミッションで訪中——半導体摩擦の修復へ
17社を率いて北京・上海へ、2018年以来初の試み
D66(中道社会自由主義)のスフールズマ外国貿易相が今週、17社の企業代表団を率いて北京・上海を3日間訪問した。2018年以来初となる閣僚級の対中貿易ミッションで、物流・農業・ハイテク分野の企業が名を連ねた。かつてベルギー・北京自身の制裁リストに載せられた人物が閣僚として訪中したことは、両国関係の複雑さを象徴する場面でもある。
Nexperiaと半導体摩擦の経緯
関係悪化のきっかけとなったのが、ナイメーヘン拠点の半導体メーカー・Nexperiaをめぐる問題だ。中国のWingtechが所有するこの企業は昨年9月にオランダ国家管理下に置かれ、北京は報復としてNexperiaの中国製チップの輸出を停止。欧州の自動車メーカーに部品不足をもたらした。係争はアムステルダムの裁判所でいまも続いているが、スフールズマ氏は「関係は不必要に緊張した」と述べ、対話再開の必要性を強調した。
オランダの最重要企業であるチップ製造装置メーカー・ASMLも代表を同行させた。ASMLをめぐってはアメリカが一部機器の対中販売・サービスを禁じる法案を検討しており、スフールズマ氏はその阻止にも動いている。ミッション初日には、貿易・投資促進を目的とした「中蘭ビジネス協議会」設立に向けた覚書に署名。通信社ANPによれば、2024年の二国間貿易額は約900億ユーロに上る。
中国側が突きつけた「逆要求」
訪問では、オランダ企業が中国商務部の王文濤相に懸念を伝えた一方で、中国企業側からも独自の要求リストが提示された。EU制裁リストに4月下旬に追加された揚州揚捷電子技術は、欧州の自動車産業にチップを供給する企業だが、製品がロシアのドローンや滑空爆弾に使われていたことが発覚した経緯を持つ。EUはNexperiaの供給不足悪化を避けるため9か月間の制裁停止を提案しており、同社はスフールズマ氏にその支持を求めた。
また、欧州の港湾でスキャナーを展開する中国企業・Nuctechも規制緩和を要請した。ロッテルダムのオフィスは2024年に欧州委員会の立ち入り調査を受け、違法な国家補助の疑いや安全保障上の懸念が長く指摘されてきた企業だ。
人権問題と10月に迫るEU交渉の期限
スフールズマ氏は2021年、当時議員として新疆ウイグル自治区での弾圧を「ジェノサイド」と表現したことで中国の制裁リストに加えられた。今回の訪問中にその見解について問われると、「懸念は消えていない」としながらも、「今は大臣として来ている」と語った。
貿易摩擦の多くは現在、EUレベルで交渉が進む。スフールズマ氏はEUの貿易委員マロシュ・シェフチョビッチと緊密に連携していると説明した上で、EU・中国間の一連の懸案事項は10月を期限に解決を目指していると述べた。王商務相は紛争回避の意思を示したが、補助金や過剰生産能力への対応は「自国のルールに従う」と付け加えた。オランダと中国の間で広がる貿易不均衡——中国の対欧輸出は昨年、輸入を1日あたり約10億ユーロ上回っていた——が、今後の交渉でも最大の争点となりそうだ。在蘭日本企業にとっても、ASMLを含むハイテクサプライチェーンや規制の動向は無関係ではない。EU・中国関係の行方を注視する必要がある。
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情報源: DutchNews
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