難民申請に詐欺があっても再審査は義務――国家評議会が政府に課した責務
「アンブローズ・プロジェクト」100件超の再検討が問うた手続きの正当性
オランダの最高行政裁判所である国家評議会(Raad van State)は、虚偽の難民申請が判明した場合でも、政府は在留許可を取り消す前に他の庇護資格の有無を適切に再審査しなければならないとの判断を示した。移民大臣Bart van den Brinkが国外退去の迅速化を推し進めるなか、手続き上の正当性を政府に求める司法判断として注目を集めている。
「アンブローズ・プロジェクト」の発端
この裁判の背景には、架空の迫害ストーリーを難民申請者に売り込んだとして、2023年12月に禁固4年の判決を受けた法律顧問の存在がある。当局によれば、同顧問はクライアントに作り話を覚えさせ、在留資格を獲得させていたとされる。有罪判決を受けて、移民局(IND)は「アンブローズ・プロジェクト」と名付けた調査を開始し、100件を超える許可証を再検討の対象とした。
今回の裁判は、2017年にイスラムからの改宗を理由にイランで迫害を受けるとして難民認定を受けた2組のイラン人家族のケースをめぐるものだ。INDは再調査の結果、両家族が虚偽の申述を行ったと結論付け、在留許可を取り消した。両家族はこれを否定し、当初の主張を維持している。
裁判所が示した「2段階の審査」義務
国家評議会は、虚偽の陳述が確認されれば在留許可を取り消すこと自体は適法と認めた。ただし、その後に政府が必ず行うべき手続きとして、当該家族が他の根拠で庇護資格を有するかどうかを改めて適切に審査する義務があると明示した。当初の申述の真偽とは切り離して、現時点での保護の必要性を独立して判断せよという要請だ。
2件の結論は分かれた。一方のケースでは、INDが既に十分な再審査を実施していたとして棄却の維持が認められた。もう一方は、家族の申述に含まれる重要な部分について十分な質問がなされていなかったとして、INDに対して再度の聴取と新たな決定が命じられた。
在蘭外国人への影響と政策的文脈
この判決は、在留資格をめぐる手続きの透明性と公正性に関する重要な先例となる。詐欺的な申請に政府が毅然と対応できる一方で、個々の事情を丁寧に検討する義務も免れないことが改めて確認された形だ。オランダに在住する外国籍の人々にとっては、在留許可の審査・取り消しプロセスにおいて適正手続きが保障されるという意味で、直接的な意義を持つ。
Van den Brink移民大臣は国外退去の迅速化を政策の柱の一つに据えており、受け入れ施設の過密解消に向けて自治体への収容場所の拡充も求めている。今回の判断は、そうした迅速化の流れに対し、司法が個別事案の丁寧な審査を求める形で一定の制約を示したものとも読み取れる。
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情報源: DutchNews
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