PROが世論調査でトップへ――進歩派有権者がD66から離反
連立政権の「右寄り路線」への反発が左派野党に追い風
夏議会閉幕を前にしたオランダの世論調査に、大きな変動が生じている。左派野党「Progressief Nederland(PRO)」が最新の集計調査「Peilingwijzer」で約26議席を獲得するとの予測を得て、連立与党の最大勢力であるVVD(約21議席)を上回りトップに立った。PROは旧GroenLinks-PvdAを前身とする政党で、11月の前回総選挙では20議席にとどまっていた。わずか数カ月で大幅な支持拡大を遂げた背景には、進歩派有権者の「D66離れ」がある。
D66、第一党から第4位へ急落
昨年11月の総選挙でRob Jetten率いるD66は26議席を獲得し、第一党の座についた。しかし最新の世論調査では18議席の予測にとどまり、Geert Wilders率いる極右PVV(19議席)にも後れをとる第4位に後退した。ライデン大学政治学研究所のTom Louwerse所長は、この変化についてこう分析する。「主に左寄りのD66支持者が、連立合意の政策を右寄りすぎると感じてPROへ移っている」。D66が右派政党のVVDおよびキリスト教民主主義のCDAと組んだ少数連立政権の政策路線が、進歩派の有権者に受け入れられていない格好だ。Louwerse氏はさらに、「選挙終盤にD66の勢いを見て戦略的投票をした層が、連立合意の内容に失望して最初に離れていくことは十分ありうる」とも述べている。
なお、連立3党はすべて選挙後に支持を落としており、VVDとCDAの減少幅は1〜3議席程度と比較的小さい。ただし3党合計では、選挙時の66議席から現時点では約54議席に落ち込むと予測されており、与党ブロック全体としての求心力低下は明らかだ。
極右内でも再編の兆し
一方、野党の極右勢力でも地殻変動が起きている。前回選挙から11議席を失っていたPVVはさらに後退し、26議席から約19議席への減少が見込まれる。その受け皿となっているのがJA21(約13議席予測)とFVD(約12議席予測)だ。Louwerse氏によれば、JA21は「連立政権に影響を与えたい穏健な極右層」に、FVDは「より過激な反体制・反移民の主張を求める層」にそれぞれ支持が集まっているという。3党の合計では選挙時よりも約2議席の純増となり、極右票全体が消えているわけではなく、その内部で支持が分散・再編されている構図が浮かび上がる。
在蘭日本人にとっての意味
Peilingwijzerはライデン大学が主要2つの世論調査を集計したもので、各予測には5〜6議席の幅があることに留意が必要だ。とはいえ、政権発足からわずか数カ月で与党の支持が目に見えて落ち込み、左派野党が急伸するという状況は、今後のオランダの政策立案に影響を与えうる。特に移民政策や気候・エネルギー政策など、在蘭外国人の生活にも直結するテーマで連立政権が難しい舵取りを迫られる局面が増える可能性がある。オランダ政治の流動性は夏休み明けも続きそうだ。
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情報源: DutchNews





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