賃貸住宅2.2万戸が1年で消えた――オランダ住宅市場に広がる「売り逃げ」の波
個人家主の大量売却が加速、賃借人の選択肢はさらに縮小
オランダ国内の民間賃貸住宅の戸数が、わずか1年の間に約2万2000戸減少した。NU.nlが報じたこの数字は、すでに逼迫しているオランダの住宅市場に新たな問題を突きつけるものだ。住まいを探す人々にとって、選択肢の縮小は今後も続く可能性がある。
個人家主が大量に「手放し」た背景
減少の主因は、個人の賃貸オーナー(particuliere verhuurders)による大規模な物件売却だ。近年、オランダ政府は投資目的の住宅購入に対する規制を段階的に強化してきた。住宅ローンの金利上昇や固定資産税の見直し、さらに賃貸価格規制の拡大といった政策が重なり、賃貸経営の収益性が低下したと見る個人家主が増えている。こうした状況を受け、多くの家主が物件の維持よりも売却を選んだとみられる。売却された住宅の大部分は、そのまま持ち家市場へと流れ込んでいる。
「賃貸から持ち家へ」の一方通行が加速
問題は、いったん持ち家市場に移った物件が、賃貸市場に戻ってくることはほとんどない点だ。1年間で2万2000戸という数字は、賃貸住宅全体のストックから見ても無視できない規模であり、住宅を探す人々——特に購入資金を持たない若年層や低・中所得者層——にとって、選択できる物件数がそれだけ減ったことを意味する。オランダではもともと社会住宅(sociale huur)の空き待ち期間が数年に及ぶケースも珍しくなく、民間賃貸の減少はその圧力をさらに高めることになる。
在蘭日本人にとっての影響
オランダに住む日本人の多くは、赴任や留学などを機に民間賃貸市場を利用する。賃貸物件の絶対数が減少している現状では、新たに住まいを探す際の競争は一層激しくなる。とりわけアムステルダムやロッテルダムなどの主要都市では、すでに物件不足が深刻で、内見の予約すら困難なケースが報告されている。住居探しにかかる時間と費用のバッファーを、従来以上に見込んでおく必要がありそうだ。オランダ政府が賃貸市場の安定に向けた追加策を打ち出すかどうか、今後の政策動向にも注目が集まる。
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情報源: NU.nl

