難民受け入れ拒否で24自治体が政府監督下に——「分散法」エスカレーション制度が本格始動
義務不履行の自治体を毎月公表、最終的には内閣による強制命令も
オランダで難民施設の設置義務を履行していない自治体への政府監督が、本格的に拡大している。難民・移民担当大臣ファン・デン・ブリンクは新たに14自治体を監督対象リストに加え、対象は計24自治体となった。先月初めて10自治体が公表されてから、わずか1カ月での大幅な追加となる。
「分散法」とは何か
この措置の根拠となる「分散法(spreidingswet)」は、オランダ全土の難民受け入れをより均等に分散させることを目的とした法律だ。国全体で必要な収容枠を各自治体に割り当て、履行状況を省庁が毎月公表する仕組みとなっている。担当省のスポークスパーソンによると、リストへの掲載はあくまで事実の記録であり、不履行の理由を断定するものではないという。政治的な意志の欠如なのか、用地確保などの現実的な障壁なのかは、省庁との協議の場で確認される。
今回新たに監督対象に加わったのは、アールスメール、ブロンクホルスト、ブルンスム、ブンスホーテン、デ・ロンデ・フェーネン、ディンケルランド、ハルディンクスフェルト=ヒーセンダム、ヘレンドールン、ロピク、モントフォールト、オルデブルック、オルデンザール、フラールディンゲン、フフトの14自治体だ。
6段階のエスカレーション制度
政府はこの問題に対し、6段階の段階的措置(エスカレーション・ラダー)を設けている。現在24自治体が置かれているのは第3段階で、担当評議員が省庁に出頭し、施設開設の場所と時期を合意する義務が生じる。そして第6段階に達すると、内閣が強制的に施設の開設を命じることができる。
協議の進捗は遅く、夏休みの影響もあって省庁との面談が実施されたのはこれまでのところ1件のみだ。その相手はウェストランド市で、同市には約700人の難民受け入れ義務があるにもかかわらず、現時点で提供済みの施設はゼロ。同市議会はかねてより「地域住民の支持がない」として受け入れを拒んできており、今回の制度に対しても長年にわたり抵抗を続けてきた。
在蘭日本人への影響と社会的含意
今回の展開は、オランダにおける難民政策をめぐる中央政府と地方自治体の緊張関係を如実に示している。法律上の義務と地域の政治的意向がぶつかり合う構図は、今後の協議や法的手続きによってさらに注目を集める可能性がある。在蘭日本人の日常に直接影響が及ぶ局面は現時点では限定的だが、居住地の自治体が監督対象に含まれている場合、地域内での施設開設計画が具体化する段階で住民説明会などの動きが出てくることも考えられる。分散法の行方は、オランダ社会の難民統合政策の試金石として引き続き注視が必要だ。
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情報源: DutchNews



