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ボネール気候訴訟、内閣が裁判所命令の期限を無視――法学者「オランダの恥だ」
政治・行政 読了 2分

ボネール気候訴訟、内閣が裁判所命令の期限を無視――法学者「オランダの恥だ」

司法判決を軽視する政府の姿勢に、法治国家としての信頼が問われている

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オランダ内閣が、ボネール島をめぐる気候訴訟でハーグ地方裁判所が命じた情報開示の期限を守らなかった。NOSの取材によって明らかになったこの事態に対し、複数の気候法学者が「法治国家における裁判所判決の軽視だ」と強く反発している。

裁判所が課した義務と内閣の対応

ハーグ地裁は今年1月28日、オランダはボネール島の住民を気候変動の影響からより積極的に守る義務があるとの判決を下した。判決には具体的な期限付きの義務も含まれており、判決から半年以内、すなわち7月28日までに、パリ協定の目標を超えずにオランダが排出できる温室効果ガスの「残余排出枠」を公開することが求められていた。

しかし期限当日、担当のファン・フェルドホーフェン気候・緑の成長相(D66)はNOSの取材に応じず、省庁側は文書で「プリンセスダフ(9月の予算発表日)に詳細を示す」と回答するにとどまった。これは裁判所が定めた期限をさらに大幅に超えるものであり、その時点でも排出枠についての明確な説明が得られる保証はないという。

「準備すらしていない」――専門家の厳しい指摘

アムステルダム自由大学(VU)の気候法学者ティム・ブリーカー氏は、「判決から半年経っても、どの排出枠を基準にするかすら伝えられないとしたら、本当に心配だ。一年後に具体的な政策パッケージが出来上がるとはとても想像できない。オランダの恥だ」と断じた。アムステルダム大学のローラ・バーヘルス氏も、これは「憲法的礼節の欠如」であり、法治国家を標榜する内閣として受け入れがたいと指摘する。

さらに問題を深刻にするのは、内閣が準備そのものを怠っていた点だ。排出枠の算定に役割を果たせると5月の議会説明会で表明していた科学気候評議会(WKR)には、省庁から一切の依頼が届いていなかったことがNOSの調査で判明した。同様に、こうした計算を担う機関として最も自然な選択肢であるオランダ環境評価庁(PBL)にも、接触はなかったという。「この情報を明らかにしないのは、単純に職務怠慢だ」とバーヘルス氏は言い切った。

窒素問題と重なる「司法軽視」のパターン

VUの国家・行政法講師チコ・スホルテン氏は、より大きな傾向を指摘する。「国が司法判決を遵守することが当たり前ではなくなりつつある」というのだ。窒素問題をめぐる訴訟でも同様のパターンが見られ、裁判所がついに強制履行金(dwangsom)の賦課に踏み切った経緯がある。

内閣は4月に控訴を申し立て、即時執行の停止を求める手続きも開始したが、法学者たちはこれが免除の理由にならないと口をそろえる。判決は「即時執行可能(uitvoerbaar bij voorraad)」とされており、控訴中であっても判決への準拠義務は継続する。さらに判決は、来年7月28日までに法的拘束力を持つ排出削減目標を国内規制に盛り込むことも命じており、今回の情報開示の遅れはその実現をも危うくしかねない。

在蘭日本人を含む外国人にとって、この問題はオランダの「法の支配」への信頼性という観点から無縁ではない。政府が自ら司法判決を軽んじる姿勢が定着すれば、環境・気候政策のみならず、行政全般の予測可能性にも影を落とす可能性がある。

情報源: NOS Algemeen

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