フィリップス、違法関税の返還で1億8600万ユーロを回収——米最高裁判決が追い風に
早期提訴が奏功、第2四半期は増収増益も株価は急落
アムステルダムに本社を置くヘルステクノロジー企業フィリップスが、米国政府から1億8600万ユーロ(約290億円)の還付金を受け取った。2026年7月に公表された同社の第2四半期決算報告に盛り込まれたもので、米連邦最高裁によるトランプ前政権の輸入関税違法判断が直接の契機となった。
最高裁が「緊急権限の乱用」と認定
事の発端は2025年4月にさかのぼる。トランプ前大統領は欧州連合(EU)を含む多数の国・地域からの輸入品に対し、広範な関税を課した。しかし2026年2月、米最高裁は下級審判決を支持し、大統領が緊急権限を不正に用いて関税を導入したと認定。米政府に対し、関税を支払った企業や損害を受けた企業への返還・補償を命じた。フィリップスのCEOロイ・ヤコブス氏は「できる限り早く訴訟を起こしたからこそ、最初に返還を受けられる企業の一つになれた」と述べており、早期の法的対応が奏功した形だ。
増益でも株価は急落、中国・米国の受注減が重荷
この還付金はフィリップスの四半期業績を大きく押し上げ、2026年第2四半期の売上高は前年同期比4%増を達成。利益は3億8600万ユーロを計上した。しかし市場の反応は冷ややかで、結果発表翌日の火曜日に株価は10%下落した。背景にあるのは、中国および米国での受注減少という構造的な懸念だ。還付金という一時的な追い風が業績を底上げした一方、主要市場における需要の鈍化が投資家心理を冷やした。
ヘルスケア専業企業として問われる実力
フィリップスは1891年にアイントホーフェンで電球メーカーとして創業し、20世紀には世界有数の家電メーカーへと成長した。2010年以降はヘルスケア機器の製造に特化しており、医療用画像診断装置や患者モニタリング機器などが主力製品だ。在蘭日本人にとっても、フィリップスは日常的に目にするブランドだが、今回の一件は同社が国際的な通商摩擦のリスクに直接さらされる企業であることを改めて示している。米最高裁判決によって一時的な収益改善は果たせたものの、米中両市場での受注動向がフィリップスの今後の成長軌道を左右する局面が続く。
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情報源: DutchNews



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