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DNB、賃貸住宅投資家に向けた政策の明確化を政府に勧告
政治・行政 読了 2分

DNB、賃貸住宅投資家に向けた政策の明確化を政府に勧告

年間64億ユーロの民間投資が必要なのに、実績はその半分以下

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オランダ中央銀行(DNB)は7月22日、民間賃貸住宅市場に関する勧告報告書を公表し、政府が掲げる住宅建設目標の達成には抜本的な政策転換が必要だと訴えた。夏季議会休会中のタイミングでの発表だが、各省庁の予算折衝が本格化する中、内容は来るプリンシェスダフ(予算案発表日)に向けた明確なメッセージとなっている。

投資不足が示す深刻な現実

政府は年間10万戸の新築住宅建設を目標としており、そのうち民間賃貸住宅は年間16,000戸の供給を想定している。これを実現するには、保険会社や年金基金など機関投資家による年間64億ユーロの民間投資が必要とDNBは試算する。しかし2024年の実績は36億ユーロと、必要額の半分強にとどまった。

背景にあるのは、投資環境の急速な悪化だ。近年の賃料規制強化や税制変更が重なり、国内の個人投資家は2023年以降、保有する賃貸物件を大量に売却し始めた。さらに2025年からは外国年金基金への税制優遇が廃止されたことで、海外勢の新規投資は2023年の5億ユーロ超から2025年には1億ユーロへと激減した。DNBは「政策が絶えず変更・強化されることが、投資家にとって耐えがたい不確実性を生んでいる」と指摘している。

三つの具体的勧告

DNBが政府に求める対策は大きく三点に整理される。

第一に、安定した予測可能な住宅政策の策定だ。かつてオランダ政府は国内総生産の1.8%を住宅建設に直接投じていたが、現在はわずか0.1%。財政的に往時の水準に戻ることは現実的ではないとしつつも、民間資本が流入できる環境づくりが急務だとしている。

第二に、自治体による上乗せ規制の廃止と標準化だ。アムステルダム市のように、国の基準を超えて「手頃な賃料の住宅40%、社会住宅40%」を義務付ける自治体がある。住民の住宅ニーズを反映した措置である一方、投資家や開発業者にとっては自治体ごとに個別交渉が必要となり、建設計画が机上で頓挫する一因となっている。DNBは「自治体の上乗せ要件を縮小し、地域規制を標準化せよ」と明快に勧告する。

第三に、2027年に予定される「手頃な家賃法(Wet betaalbare huur)」の改正において、WOZ評価額(不動産公示価格)の比重を高めることだ。現行の賃料ポイント制度ではWOZ評価額の影響が限られており、地価が高い地域でも賃料上限が低く抑えられることで新規開発の採算が取れなくなっている。改正によって高地価エリアでの中価格帯賃貸住宅の建設採算を改善し、売却ラッシュに歯止めをかけることが狙いだ。

在蘭日本人への影響と今後の展開

今回の勧告はDNBが住宅政策に注文をつけた初めての事例ではない。2024年には当時のクラース・クノット総裁が「手頃な家賃法」に公開の場で異議を唱えた。不動産業界団体も同様の提言を重ねてきており、DNBの報告書はこれらの声に権威ある裏付けを与えた形だ。

オランダで賃貸住宅を探す在蘭日本人にとって、民間賃貸市場の収縮は物件数の減少と家賃水準の高止まりに直結する。勧告が政策に反映され投資環境が改善されれば、中価格帯の賃貸住宅の供給増につながる可能性がある。政府がDNBの提言をどこまで取り込んだか、その答えは今秋のプリンシェスダフに示される。

情報源: NRC

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