トランプ政策下でも続く帰化式典、新市民が「すぐに共和党有権者として登録する」
建国250周年の7月4日、モンティチェロで75人が米国籍を取得
2026年7月4日、アメリカ独立250周年の記念日。バージニア州シャーロッツビル近郊に位置するモンティチェロ農園——独立宣言の起草者で第3代大統領トマス・ジェファーソンの邸宅跡——では、恒例の帰化式典が執り行われた。75人の新市民が、摂氏37度の猛暑の中で約3,000人の観衆に見守られながら米国籍を取得した。バンジョーの演奏で国歌が奏でられ、民主党のアビゲイル・スパンバーガー知事が祝辞を述べる中、ドナルド・トランプ大統領の厳しい移民政策の影がこの「移民の祭典」に色濃く漂っていた。
夢の実現と複雑な来歴
式典でひときわ大きな拍手を受けたのが、ホンジュラス出身のドゥニア・ウッドワード(50歳)だ。アメリカ国旗があしらわれた帽子をかぶり、真っ赤な口紅で笑顔を輝かせながら帰化証明書を受け取った彼女は、壇上で約2分間、自身の半生を語った。「私はひどい貧困の中で育った。食べるために自分でマンゴーの木に登らなければならなかった。3歳の息子を連れてホンジュラスを離れた。その子は今28歳で、海軍の訓練教官をしている」。
ウッドワードは25年前、幼い息子とともにまずメキシコへ渡り、その後看護師として米国で働く一時ビザを取得した。しかし「そのまま帰らなかった」と、式典後に率直に明かした。ビザの期限が切れた後も滞在を続けたことになるが、アメリカ人男性との結婚により在留状況は安定し、段階的に正規の手続きを経て今日の帰化に至った。
トランプへの支持と移民政策の矛盾
こうした経歴を持ちながら、ウッドワードはトランプ政権の移民政策を強く支持している。「式典が終わったらすぐに共和党有権者として登録する。バイデン政権下での不法入国者の数は本当にひどかった」と断言し、「この国が気に入らなければイランにでも行けばいい」とまで言い切った。
同様の複雑な心情は他の参加者にも見られた。マイケル・ポリカストロ(63歳)は、継娘のフィリピン出身ダナ・トマニョ(25歳)の帰化を喜ぶ一方で、「トランプは不法に国境を越えた人々を取り締まっているが、網を広く張りすぎて無実の人も巻き込んでいる」と複雑な見方を示した。彼自身はトランプに3度投票している。19歳のブライアン・フェアウェザー(ジャマイカ出身)は「友人に追放されるかもしれないと警告されたので、急いで手続きを進めた」と話す。
帰化の要件として、申請者は少なくとも5年間の合法的永住権(グリーンカード)保持、市民権テストの合格、数百ドルの費用負担などを求められる。参加者の多くが幼少期に親とともに渡米した人々であり、長年の手続きを経てこの日を迎えていた。
在蘭日本人が見る「移民国家」の現在地
モンティチェロでの式典は1960年代から続く伝統だが、NRCの報道によれば、今ほど大統領の移民政策と真っ向から緊張関係に立ったことはないという。トランプ政権が進めていた移民の子への出生地主義国籍の剥奪については、直前に連邦最高裁が退ける判断を下したばかりだ。
それでも式典は続き、新市民は生まれた。オランダを含む欧州でも移民・難民政策が政治の中心議題となる中、アメリカの帰化式典が浮き彫りにした光景——政策に翻弄されながらも制度を信じて手続きを重ね、国籍取得後に政策立案者への支持を表明する移民の姿——は、移民国家が抱える矛盾と多様性を同時に示すものといえる。
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情報源: NRC
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