ベルケラント新副市長、独極右組織「ライヒスビュルガー」支持者と関係か
ベルケラント新副市長、独極右組織「ライヒスビュルガー」支持者と関係か
「ペーパーテロリズム」に該当する召喚状を数十件送付
オランダ東部ヘルダーラント州の自治体ベルケラントで、就任したばかりの副市長(ウェトハウダー)トン・クーンデリンク氏をめぐる問題が浮上している。同氏が昨年、ドイツの極右過激組織「ライヒスビュルガー運動(Reichsbürgerbeweging)」の支持者のために仲裁人として活動していたことが、オランダ紙ADの報道で明らかになった。
「紙の爆弾」とも呼ばれる手口
ライヒスビュルガー運動とは、ドイツ連邦共和国を正統な国家として認めない極端主義的な思想集団である。ドイツ国内では当局が危険組織と位置づけており、近年は武装グループによるクーデター未遂事件への関与も報じられるなど、その過激性が広く知られている。クーンデリンク氏はこの運動の支持者を代理するかたちで活動し、数十件にのぼる「召喚状」を送付していたとされる。これらの文書はいわゆる「ペーパーテロリズム(paper terrorism)」に該当すると専門家は指摘する。ペーパーテロリズムとは、法的根拠の乏しい大量の書類を当局や個人に送りつけ、行政手続きを麻痺させたり相手に心理的圧力を与えたりする手法だ。
就任直後に発覚、市政への影響は
この問題が表面化したのは、クーンデリンク氏が副市長に就任した直後のことであり、ベルケラント市の新体制に早くも影を落としている。同市は人口約4万5,000人の農村地帯に位置する自治体で、地域に根ざした行政運営が求められる立場にある。副市長という公職にある人物が、欧州各国の当局が警戒する極端主義組織の関係者と業務上の接点を持っていたという事実は、市議会や住民からの信任に直結する問題となりうる。クーンデリンク氏本人や市側のコメントは現時点では伝えられておらず、今後の市議会での対応が注目される。
在蘭日本人にとっての視点
オランダの地方自治体では、副市長は市長とともに日常的な行政執行を担う重要な役職であり、住民の生活に直結する意思決定を行う。今回の件は、ベルケラント市という一地域の問題にとどまらず、公職者の経歴審査や極端主義組織との関係についてオランダ全土で改めて議論を促す契機となる可能性がある。欧州ではライヒスビュルガーのような組織が国境を越えて活動しているとの指摘もあり、オランダ当局もドイツと連携して動向を監視している。地域政治の透明性と公職者の適性審査のあり方が、改めて問われている。
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