交通違反罰金の10%引き上げは不当——蘭裁判所が政府の措置を批判
財政目的の罰金増額は「犯罪間の不均衡を生む」とユトレヒト裁判所が指摘
オランダ政府が2024年に実施した交通違反罰金の一律10%引き上げについて、ユトレヒトの裁判所は先週金曜日、この措置は不当だったとの判断を示した。政府は引き上げの理由としてインフレへの対応と国家財政の調整の両方を挙げていたが、裁判所はとりわけ財政上の理由を問題視した。
「予算理由」は罰金増額の根拠にならない
裁判所の判断の核心は、国家財政のバランスを取るための手段として罰金を引き上げることへの異議だ。担当判事は、予算上の理由を根拠に罰金を増額することは、交通違反と他の犯罪との間に「不均衡」を生じさせると指摘した。罰金制度は本来、違反行為に対する制裁として設計されるべきであり、歳入確保の手段として機能すべきものではないという論理だ。
オランダでは近年、この問題をめぐる訴訟が相次いでいる。複数の裁判所が同様の事案を審理し、ある判事は罰金を減額する一方で、別の判事は引き上げを支持するなど、判断が割れている状況だ。現在、これらの事件はすべて控訴審に係属しており、最終的な法的決着はまだ先になる見込みだ。なお、交通違反罰金は国庫に対して年間約10億ユーロの収入をもたらしており、その規模の大きさからも今回の判断が持つ影響は小さくない。
未払い罰金への「追加手数料」にも疑義
同じ金曜日、別の問題でも注目すべき動きがあった。オランダ最高裁判所の法務顧問(アドフォカート・ヘネラール)が、罰金未払いに対する追加手数料の在り方について意見書を提出した。
現行の制度では、交通違反の罰金を期限内に支払わなかった場合、まず罰金額の50%相当の手数料が課される。それでも支払いが行われなければ、さらに100%が上乗せされる仕組みだ。つまり、最終的には当初の罰金額の2.5倍に膨れ上がる可能性がある。実際に、ある男性は1年間に7件の交通違反を起こして未払いが続いた結果、当初の約1,000ユーロの負債が3,000ユーロを超えるまで膨らんだという事例が紹介されている。
法務顧問の意見は、追加手数料を課す前に「その人物が経済的な理由で支払えなかったのか否か」を司法が審査すべきだというものだ。支払い能力のない人々に対して機械的に手数料を積み上げる現行の運用に、制度的な問題があると示唆している。
在蘭日本人にとっての意味
今回の判断は、オランダで車を運転するすべての人に関係しうる問題だ。現時点では控訴審の結果によって最終的な法解釈が変わる可能性があり、2024年の引き上げ分が将来的に無効とされるかどうかは不明だ。一方で、未払い手数料をめぐる司法審査の議論は、万が一の際の救済手続きが整備される方向への一歩とも読める。駐車違反や速度超過の罰金を受け取った際には、金額の根拠や支払い期限をあらためて確認しておくことが望ましい。
広告掲載にご興味のある方は こちら
情報源: DutchNews
関連ニュース

ロシアの「影の艦隊」からオランダ軍基地へ――ドローン飛来の黒幕を英シンクタンクが分析
/https://content.production.cdn.art19.com/images/1c/2a/ac/a2/1c2aaca2-afc4-4bc7-8107-306bcebbf7c2/19771921510afa2098363affadb8fb79afa45914004ae3cf23cdec3e1025ce9d1ac2c18071a5bd206fcf3d4a086ffe070437d38483d5312bf61c2eb7721396bf.jpeg)
激動の半年間——内閣崩壊、PVV分裂、そして新たな政治地図

学生インターンに報酬受け取りの法的権利、ただし最低賃金は設定せず
ベルケラント新副市長、独極右組織「ライヒスビュルガー」支持者と関係か
ベルケラント新副市長、独極右組織「ライヒスビュルガー」支持者と関係か
「最強の軍は使わずに済む軍」――オランダが抑止力を国防の中核に据える理由
