ON!放送局、ヒトラー礼賛番組で免許取消論争——議会審議は9月24日
与野党議員が文化大臣に放送停止を要求、極右局の繰り返す「逸脱」
オランダの極右公共放送局「Ongehoord Nederland(ON!)」が、ナチス指導者アドルフ・ヒトラーをいわば「反グローバリストの闘士」として描くオンライン番組を配信し、議会で免許取消を求める声が相次いでいる。与野党の議員が文化大臣リアンヌ・レッチャートに対して放送停止の検討を求める質問を正式に提出しており、問題は政治的な焦点へと発展している。
何が放送されたのか
問題の番組は「Let’s Twist Again」というパネル形式のコーナーで、7月31日にオンラインで公開された。ヒトラーが「根無し草の国際的な一派」を糾弾する演説映像が流され、群衆の中から「ユダヤ人!」という叫び声が上がる場面も含まれていた。司会のアルレット・アドリアーニは、パネリストのヨースト・ニーメラーとライサ・ブロメスタインの両氏に対し、「コスモポリタンなエリートは、先住の普通の人々に対して本質的に敵対的な立場を取らざるを得ない」という主張への見解を求め、両者は同意を示した。公共放送オンブズマンのマルゴ・スミット氏によれば、配信後に約20件の苦情が寄せられている。
野党Proのモハメド・モハンディス議員はRTLの取材に対し、「この断片は、この放送局が基本的な基準を意図的に無視していることの証拠だ」と述べた。D66のウファ・ウアルハジュ議員も「ユダヤ人を国民共同体を脅かす根無し草の勢力として描くのはナチス・プロパガンダそのものだ」と批判した。
局側の反論と大臣の「複雑な」立場
ON!の局長ペーター・フレミックス氏は、出演した両パネリストが放送中に「ヒトラーの政権とその野蛮な結果に対して嫌悪しか感じない」と明言していたと強調した。一方で「この主題をめぐる繊細さへの配慮が十分でなかった」とも認め、「より慎重なアプローチが必要だった」と述べている。
レッチャート文化大臣は、法的立場が「複雑」だとして即断を避けた。公共放送サービスNPOが免許取消の申請を行っていないため、大臣が独断で動くことに制約があるためだ。与党VVDのエリック・ファン・デル・マース議員は「納税者の資金で運営されながら組織的にルールを破り、それを守る意思もない放送局に公共ネットワークの場はない」と切り捨てたが、与野党間でも対応を巡る温度差が残る。
繰り返される問題行為と9月24日の審議
ON!は2022年の放送開始以来、繰り返し物議を醸してきた。虚偽情報の放送により罰金処分を受けたほか、編集長公募に「男性または女性のみ、Xは不可」という条件を付け、差別的表現として問題視された。パネリストのブロメスタイン氏も、黒人男性を「類人猿」と呼ぶSNS投稿で差別による刑事有罪判決を受けている。先月には与党3党とProの過半数の議員が来年の免許更新をしないよう大臣に求めており、局の存続をめぐる圧力は高まる一方だ。
9月24日の議会審議では、免許更新の是非が正式に議題に上る見込みだ。オランダで生活する日本人にとっても、公共放送の規律や「表現の自由」と「差別」の線引きについて、この国の社会がどこに境界を引くのかを見極める重要な試金石となる。
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情報源: DutchNews



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