燃料高騰でオランダ国境沿いのガソリンスタンドが経営危機に
燃料高騰でオランダ国境沿いのガソリンスタンドが経営危機に
ドライバーは隣国へ流出、独立系オーナーに追い打ちをかける価格差
オランダの燃料価格が記録的な高水準に近づくなか、国境付近で営業するガソリンスタンドが存続の危機に立たされている。特に深刻なのが、大手エネルギー会社の傘下に入らずに経営する独立系のオーナーたちだ。価格交渉力を持たない彼らは、燃料の仕入れコストが上昇しても販売価格に十分反映させることができず、利幅が急激に縮小している。
隣国への「燃料難民」が加速する国境地帯
追い打ちをかけているのが、隣国との目に見える価格差だ。ドイツやベルギーでは燃料税の仕組みが異なるため、オランダと比べて1リットルあたり数十セント安く給油できるケースが珍しくない。この差額を求めて、国境近くに住むドライバーが続々と隣国のスタンドへ流れている。週末や連休になると、その傾向はさらに顕著になるという。国境沿いのオーナーたちにとって、かつては地理的優位性の象徴だった「国境立地」が、今や逆風の震源地となっている。
あるオーナーはNU.nlの取材に対し、「一生をかけて築いてきたものが奪われていくようだ」と心境を吐露した。スタンドを維持するための固定費——人件費、設備の維持・更新費、リース料——は変わらず重くのしかかる一方、肝心の売上は日を追うごとに落ち込んでいる。「何をすればいいのか、もうわからない」という言葉には、出口の見えない経営者の切迫感がにじむ。
大手と独立系、広がる格差
同じ国境沿いのスタンドでも、大手エネルギー会社のブランドを掲げるフランチャイズ店と、完全独立系の店舗では置かれた状況が大きく異なる。大手系列であれば、本部との交渉やグループ全体の調達コスト削減の恩恵を受けやすい。一方、独立系は仕入れ先の選択肢が限られ、市場価格の変動をほぼ直接受け止める構造になっている。こうした非対称な競争環境が、今回の価格高騰によってより鮮明に浮かび上がった形だ。
現時点では、業界団体や政府からの具体的な支援策は示されておらず、オーナーたちは孤立無援の状況に置かれている。NU.nlの報道によれば、当事者たちは「自分たちだけで抱え込まされている」と感じており、問題の認知すら十分に進んでいないと訴える。
在蘭日本人にとっての視点
ドライブや長距離移動の機会が多い在蘭日本人にとっても、燃料価格の高騰は日々の生活コストに直結する問題だ。国境付近に住む人や、ドイツ・ベルギーへの移動が多い人であれば、越境給油を検討する価値は十分にある。ただし、今回の報道が示すのは単なる家計の節約術にとどまらない。地域経済を長年支えてきた独立系事業者が追い詰められているという構造的な問題であり、オランダの燃料課税政策や競争環境のあり方が改めて問われている。
広告掲載にご興味のある方は こちら
情報源: NU.nl



