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天然ダイヤモンド市場が低迷、若者は合成石や体験に優先度
経済 読了 2分

天然ダイヤモンド市場が低迷、若者は合成石や体験に優先度

「永遠の輝き」に翳り——デビアスが主要鉱山を2年閉鎖、アントワープでも取引22%減

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「ダイヤモンドは永遠に」——そう謳われてきた宝石の王者が、かつてない逆風にさらされている。世界最大手のダイヤモンド企業デビアスは先月、南アフリカにあるヴェネシア鉱山を2年間閉鎖すると発表した。同鉱山は南アフリカの年間ダイヤモンド生産量の約40%を担う主力拠点だ。この決断は市場の長期低迷への対応策であり、業界全体が構造的な変化に直面していることを象徴している。

アントワープとオランダ宝石商が感じる「潮目の変化」

欧州のダイヤモンド取引の中心地、ベルギーのアントワープでは、昨年だけで取引量が22%減少した。アントワープの「ダイヤモンド・ハウス」を率いるロブ・ファン・ブールデン氏は、天然ダイヤモンドの価値が2022年3月以降ほぼ半減したと指摘する。特に2カラット未満の石は売れ行きが鈍く、市場の空洞化が進んでいるという。

オランダ国内でも変化の兆しは明らかだ。ライトスヘンダムの宝石店クルンパースで仕入れを担当するロバート・デン・ハーグ氏は、「ダイヤモンドジュエリーをクラシックすぎると感じる若者が増えている」と話す。ミス・スプリングなどの新興ブランドに見られるような、繊細なカラーストーンを使ったデザインが特に指輪を中心に支持を集めているという。オリーブグリーンのペリドット、サファイア、ルビー、ブルースピネルといった石が人気を集め、価格面でも手頃な選択肢として若い世代に受け入れられている。

合成ダイヤモンドの台頭と市場飽和のリスク

天然ダイヤモンド離れを加速させているのが、ラボグロウン(合成)ダイヤモンドの普及だ。外見上は天然石とほぼ見分けがつかないにもかかわらず、価格は大幅に安い。低価格衣料チェーンのゼーマンは昨年、0.10〜0.12カラットのラボグロウンダイヤモンドをわずか30ユーロで販売した。ダイヤモンドがもはや富裕層だけのものではなくなりつつある現実を示す一例だ。米国ではすでに婚約指輪の50%超を合成ダイヤモンドが占めており、この潮流はヨーロッパにも波及しつつある。

一方で、ファン・ブールデン氏は新たなリスクを警告する。中国やインドを中心に合成ダイヤモンドの製造工場が急増しており、過当競争が市場を圧迫しているというのだ。「いずれその市場は崩壊する」と同氏は見る。業界団体「フェデラティー・ハウト・エン・ジルファー」によると、現在流通するダイヤモンドの約20%がすでに工場産だ。環境負荷の低さも合成ダイヤモンドの売りとされてきたが、大量生産化が進む現在、その優位性も薄れつつあるとファン・ブールデン氏は指摘する。

在蘭日本人への示唆——婚約・贈り物の選択肢が広がる時代

こうした市場の変化は、オランダで暮らす日本人にとっても無縁ではない。婚約や結婚の記念に宝石を選ぶ際、合成ダイヤモンドやカラーストーンは以前にも増して現実的な選択肢となっている。また、リサイクルダイヤモンド——親や祖母から受け継いだ石を再研磨・再加工して使う文化——がオランダの若いカップルの間で広まっている点も注目に値する。デン・ハーグ氏は「市場はいずれ回復する」と楽観的な見方を崩さず、先月わずかながら上昇に転じたダイヤモンド価格にも希望を見出している。天然の輝きが完全に色褪せるのか、それとも新たな価値を纏って復活するのか——その行方は、若い世代の消費観が握っている。

情報源: NOS Algemeen

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