イェッテン首相の予算交渉——左派と組むか、右派と組むか
プリンセスダハ迫る中、少数与党政権が直面する難題
オランダの政治の季節が本格的に再始動した。夏休みを終えたデン・ハーグでは、議会・政府ともに予算交渉への圧力が一気に高まっている。毎年9月の第三火曜日に行われるプリンセスダハ(国王が翌年度予算案を国民に発表する儀式的な日)を目前に控え、イェッテン首相率いる政権は、過半数を確保するための政治的パートナー探しを急いでいる。
楽観論の裏にある綱渡り
首相自身は公の場で終始楽観的な姿勢を維持しているが、NRCの政治担当記者マルコ・デ・ハーンは、その実態を冷静に分析する。問題の核心は単純だ——イェッテン政権は議会の過半数を単独では持たず、予算案を通すためには他党の協力が不可欠である。しかし、協力を求めうる相手は左派・右派いずれも、それぞれ政策的に相容れない要求を突きつけてくる構図になっている。左派と組めば社会支出の拡大や気候政策の強化を迫られ、右派と組めば移民・難民政策の厳格化や福祉削減を求められる可能性が高い。どちらのシナリオも、首相にとって容易ではない。
左右どちらを選んでも、代償は大きい
左派陣営との協力では、財政健全化を重視したい現政権の方針と、社会給付の維持・拡充を求める野党側の立場がぶつかり合う。一方、右派勢力との連携では、イェッテン政権がこれまで積み上げてきた政策路線——特に気候・エネルギー分野——での後退を余儀なくされるリスクがある。デ・ハーン記者は、どちらのルートを選ぶにしても「大きな譲歩(grote concessies)」が避けられないと指摘しており、交渉の難航は必至とみられる。
オランダ社会と在蘭日本人への影響
予算案の行方は、税制・社会保障・エネルギー政策など、生活に直結する領域に幅広く波及する。在蘭日本人にとっても、所得税や社会保険料の変更、あるいは住宅・医療政策の転換は無縁ではない。プリンセスダハは今年も2025年9月の第三火曜日に予定されており、その日までに政権が交渉をまとめられるかどうかが当面の焦点となる。オランダ政治が左右の綱引きの中でどう着地点を見出すか、引き続き注目が必要だ。
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情報源: NRC



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