アムステルダムの宿泊税、2031年に世界最高水準の20%へ引き上げ
総税率41%が迫るホテル業界、周辺自治体への宿泊客流出も現実味
アムステルダム市の新連立政権(ProとD66)は、観光客向けの宿泊税(toeristenbelasting)を現行の12.5%から2031年までに段階的に20%へ引き上げる方針を決定した。市はかねてより年間2,000万泊という上限を超える観光客数に頭を悩ませており、「観光客が市の負担に対してより公正な貢献をすべきだ」と引き上げの理由を説明している。
総税率41%──ほぼ世界最高の水準へ
今回の宿泊税引き上げが重くのしかかるのは、別の増税と重なるためだ。今年、オランダ全国でホテルの消費税(btw)が9%から21%に引き上げられた。この二つを合算すると、アムステルダムのホテル宿泊にかかる総税率は2031年には41%に達する計算で、昨年の21.5%からほぼ倍増となる。
ホテル業界団体KHN(Koninklijke Horeca Nederland)の調査によれば、現時点でもアムステルダムの宿泊税12.5%はすでにヨーロッパ最高水準にある。比較対象として、米ロサンゼルスは14%、ブータンは外国人旅行者に対して1泊あたり100ドル(約87ユーロ)の「持続可能な開発税」を課している。NOSの調査でも、20%到達後にアムステルダムを上回るのはブータンのみという結果が出ており、事実上の世界最高水準となる見通しだ。市の広報担当者も「アムステルダムは確かに高い税率の部類に入る」と認めている。
ホテル業界と周辺自治体の反応
KHNはすでに国に対して宿泊税の全国上限設定を求める要望書を提出しており、「消費税と宿泊税の組み合わせにより、オランダは旅行先として国際競争力を失いつつある」と警鐘を鳴らす。アムステルダム市は「KHNや観光業界の関係者と協議中」と応じているものの、方針を変える気配はない。
特に深刻な打撃を受けているのが、2022年にアムステルダム市に合併されたウェースプ地区だ。合併前は宿泊税のなかった同地区も、今や市の最高水準の税率が適用される。ウェースプの「Hotel Het Hart van Weesp」は「稼働率はまだ許容範囲内だが、宿泊税と消費税の引き上げが重なり、すでに約10%の稼働率低下が見られる」と現状を明かし、合併前のように郊外として独自の税率を維持できれば観光促進につながったはずだとの惜しむ声もあがっている。
一方、南隣のアムステルフェーン市は1人1泊あたり4.75ユーロの低率を維持する方針で、「オーバーツーリズムの問題はない。アムステルダムの動向はむしろチャンスになりうる」と前向きな姿勢を示す。北隣のザーンスタットも「幅広い層に開かれた街であり続けたい」としてアムステルダムと同じ路線は取らないと明言している。
在蘭日本人・旅行者への影響
アムステルダムを訪れる日本人旅行者や、国内外からの来客をホテルに案内する機会がある在蘭日本人にとっても、この税率変更は無視できない。すでに宿泊料金の半分近くが税金や大手予約サイトへの手数料で占められているという声もあり、今後の値上がりは実感を伴うものになりそうだ。費用を抑えたい場合は、アムステルフェーンやザーンスタットなど周辺自治体のホテルを選ぶことが、現実的な選択肢として浮上してくるだろう。
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情報源: NOS Algemeen



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