FVDとネオナチの連携が一層鮮明に――NRC調査が示す組織的関与
デモの舞台・機材・人脈をFVD政治家が提供、「無関係」の弁明は崩れた
オランダの右翼政党フォーラム・フォー・デモクラシー(FVD)が、ネオナチ組織や極右活動家との連携をいっそう深めている。NRCと反ファシスト調査グループKafkaが今夏の二つのデモを詳細に検証したところ、FVD政治家たちが単に参加しただけでなく、舞台・音響機材・人的ネットワークを積極的に提供していたことが判明した。
アペルドールンのデモ――機材を運んだFVD議員
7月25日、アペルドールンで反難民申請センター(AZC)デモが開かれた。登壇したのはネオナチ組織NVU(オランダ国民連合)のリーダー、コンスタント・クスターズと、ドイツの極右政党「Die Heimat」のクラウス・クレマーだ。クレマーは2005年に反ユダヤ的発言で有罪判決を受けた人物で、ナチスのスローガンをもじった言葉でかつての演説を締めくくったことでも知られる。
このデモで使われた小型ステージと音響機材を搬入したのは、クリンペネルワールト市のFVD市議会議員メラニー・シェールウォーターとそのパートナー、パスカルだった。パスカルが開演直前にスピーカーをセットする傍ら、メラニーはクスターズのすぐそばに立ち、のちに行進にも加わってスピーチを撮影した。パスカルが運営する活動グループ「Vaderlandsliefde(愛国心)」はFacebookで機材提供を公表し、NVU活動家からの感謝コメントに「ありがとう!」と返信している。
ユトレヒトの集会――FVD議員とネオナチが「同じ舞台」に
8月1日、同じ赤白青のポディウムが今度はユトレヒトのヤールブールス広場に設置された。「Save Europe Act」と銘打ったこの集会には、FVD国会議員ミラン・シェンクや、ベルギーでレイシズム罪で複数回有罪判決を受けたドライス・ファン・ランゲンホーフェが登壇した。会場には約100人が集まったが、その顔ぶれはFVD関係者だけにとどまらなかった。有罪歴のある反ユダヤ主義者ヤン・ファン・デ・カール、SSマークのTシャツで各地のデモに出没するペーター・ファン・フリート、NVUメンバー、オランダ・ナショナリスト運動(NNB)のネオナチらが一堂に会した。ベルギーの極右組織「Schild & Vrienden」からも活動家が駆けつけ、そのひとりはドローンで上空から映像を撮影しつつ、車内でホワイト・パワーのジェスチャーを繰り返していた。
「Save Europe Act」はオランダ人インフルエンサーのエヴァ・フラールディンゲルブルークとオーストリア人のマルティン・ゼルナーが今年5月にポルトガルで立ち上げた国際的イニシアティブで、いわゆる「remigratie(リミグレーション)」――移民背景を持つ人々の「帰還」を促す政策、極右内では事実上の強制送還の婉曲表現――を欧州の立法議題に乗せることを目標に掲げる。オランダでの調整役を担うのは、フードホーフェン市のFVD市議・ダーラ・フォスだ。彼女はボランティア用グループアプリを管理しているが、その中にも複数の極右・ネオナチ関係者が参加していることが確認されている。
FVD党内の「無関係」主張は通じるか
FVD院内会派代表のリデウェイ・デ・フォスは今年2月、候補者リストの一部に極右歴があると報じられた際、「キャラクター暗殺だ」と反論し、「党は反民主主義的思想をいかなる形でも支持しない」と断言していた。しかし今回の調査は、個人的な「過去の短期間のかかわり」では説明しきれない、組織的かつ継続的な協力関係の実態を浮き彫りにしている。
在蘭日本人にとって直接的な影響は限られるものの、こうした動向はオランダの政治・社会の右傾化を象徴する問題として注目に値する。難民・移民政策をめぐる議論が続くなか、FVDと極右の境界線がどこにあるのか、有権者と社会全体が改めて問い直される局面を迎えている。
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情報源: NRC



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