新学年スタート、オランダで約20年ぶりのカリキュラム大改訂
国語・算数の学力低下に歯止めを、デジタルリテラシーと市民教育も新設
この夏休み明け、オランダ北部の学校を皮切りに新学年がスタートした。それと同時に、小学校および中学校低学年(onderbouw)を対象とした新しい「核目標(kerndoelen)」が初めて法律に明文化され、全国の学校で正式に適用が始まった。核目標とは、児童・生徒が修得すべき知識・スキル・経験の基準を定めるもので、授業や試験教材のすべての土台となる。
20年ぶりの大改訂、何が変わったか
これまでの核目標は2006年に策定されたもので、内容が時代遅れになっていたうえ、記述が曖昧で学校側の裁量に委ねられすぎているという批判が長年あった。2015年頃から改訂に向けた議論が始まったものの、政治的な対立などにより複数回にわたって頓挫。今回ようやく法制化にこぎつけた。
改訂の柱は、オランダ語・算数・数学をはじめとする既存科目の刷新に加え、デジタルリテラシーと市民教育の2科目が新たに加わったことだ。オランダ語の核目標は項目数自体は減ったが、文学の位置づけが明確になり、言語発達を他の教科でも促すよう具体的な方法が記述されている。
「これって国語の授業?」現場の手応え
ヘンゲロー市の基礎学校「デ・プレヘルムス」では、今学年から新しい教授法を早速導入している。同校のミシェル・ホンブルフ校長が例として挙げたのが「世界の食文化」をテーマにした横断型授業だ。各国をスパイスと結びつけて世界地理を学び、レシピを書き、テキストを読み、学校の厨房で実際に料理する——この一連の活動がオランダ語の授業として組み立てられている。夏休み前に試験的に実施したところ、子どもたちから「これって国語の授業なの?」という声が上がったという。ホンブルフ校長は「楽しみながら学んでいた。それが嬉しかった」と話す。
核目標は授業に方向性と焦点をもたらすだけでなく、「やらないことを決める」助けにもなったと校長は言う。不要なものを整理・処分することも、学校改革の重要な一部だという認識だ。
改善の鍵は「教員への支援」と専門的自律性
教育国務長官ティーレンは「言語・計算能力の低下はあまりにも長く続いている。すべての土台は言語だ」と危機感を示し、言語教育をあらゆる教科に組み込む方針を強調する。法制化によって、各学校が実際にこの核目標に基づいた教育を行うことを省として期待しているという。
一方、フリー大学の教育学者イルヤ・コルネリスツは、意欲的な目標設定は重要だが、それだけでは不十分だと指摘する。「真の課題は、教員が自分のクラスでこれらの目標を効果的に実現できるよう、専門的な自律性と信頼できる知識・サポートを与えることだ」。教育・研究・政策の三者が緊密に連携することが必要であり、同時に教員や学校が「どのように目標を達成するか」を自ら決める自律性を持ち続けることがオランダの教育制度の強みだとも語る。
在蘭の日本人家庭にとっても、子どもが現地校に通っている場合、この改訂は直接関係する変化だ。教科書や授業スタイルが変わるだけでなく、デジタルリテラシーや市民教育が正式な学習目標として加わることで、学校生活の幅が広がる可能性がある。制度改革の実効性は今後の教員支援にかかっており、その動向が注目される。
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情報源: NOS Algemeen



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