アムステルダム前幹部、橋梁費用8億5000万ユーロ超の倍増を選挙前に隠蔽
情報公開文書が暴いた「選挙前か後か」の選択
アムステルダムのIJ川に建設が計画されている自転車・歩行者専用橋「オーストブルフ」をめぐり、前交通担当幹部メラニー・ファン・デル・ホルストが建設費の大幅な増額を把握しながら、3月の市議会選挙前に市議会へ報告しなかったことが明らかになった。情報公開請求によって入手された内部文書をアムステルダムの放送局AT5が報じたもので、市政への信頼を揺るがす問題として野党各党が強く反発している。
「選挙前か後か」を内部で議論していた
文書によれば、オーストブルフの建設費試算は2024年12月2日ごろ、担当者の間で6億5000万〜8億5000万ユーロという新たな数字が内部共有された。これは当初の予算額3億2500万ユーロの最大2.6倍にあたる。担当者はファン・デル・ホルストに対し、この数字を選挙前に公表するか、選挙後に公表するかという選択肢を明示的に提示したとされる。2月12日の会議では古い低い数字を市の公式投資計画書に記載したままにする方針が決定され、選挙8日前にも新試算の算出根拠について説明を受けていたにもかかわらず、その事実は有権者に知らされなかった。ファン・デル・ホルストはこの間、選挙戦でIJ川横断プロジェクトを自身の行政実績の一つとして積極的にアピールしていた。
新しい試算が表面化したのは選挙から約3か月後の6月初旬で、市が連立協議担当者へ渡した文書が公開されたことによる。全長約1.2キロメートルと国内最長クラスとなる見込みの同橋は、市議会と広域交通機関フェルフォールレヒオ・アムステルダムが共同で費用を負担する計画だ。
野党7会派が緊急討議を要求
この問題を受け、PvdD、Volt、JA21、Denk、BIJ1、CDA、SPの野党7会派は共同声明を発表し、「この事実には驚愕している」としながらも、現時点での結論は保留する姿勢を示した。緊急討議の開催を求めるとともに、与党PRO、そしてファン・デル・ホルスト自身が所属するD66の市議団からも説明を求める声が上がっている。
当のファン・デル・ホルストはコメントを拒否し、後任の交通担当幹部エリーズ・ムースカップス(D66)に対応を委ねた。ムースカップスは「暫定試算には幅があり、今後変動する可能性がある。設計作業は継続中であり、最終的な費用は来年初頭まで確定しない」と述べるにとどめた。
在蘭日本人にとっての意味
今回の問題が問うているのは、建設費の多寡だけではなく、行政による情報開示の姿勢そのものだ。公共インフラの大型プロジェクトは税金を原資とするものであり、費用の急騰が選挙前に意図的に隠された可能性は、オランダ市民全体の政治不信につながりかねない。アムステルダムに暮らす日本人にとっても、自転車・歩行者インフラの整備は日常の移動に直結するテーマであり、今後の市議会での審議や最終的な設計・費用の確定に注目する必要がある。
広告掲載にご興味のある方は こちら
情報源: DutchNews



/https://content.production.cdn.art19.com/images/2e/d0/18/ab/2ed018ab-e157-4212-9f27-910ee353f0e1/91502b4bd0fde49ef44f4d5a3d8bc772ebc052dc6a2a3fea3f1473035e78fa243366aaf45d3376d959c28075262335c58da6cf79c1cf6890be2ee46354818675.jpeg)