干ばつ被害の企業への補償、オランダ政府が否定——「起業家リスク」と一線画す
水位は「不足レベル2」、内陸船の運航停止や水門閉鎖など広範な影響が続く
今夏のオランダでは記録的な水不足が続いており、内陸部の川を行き交う船が航行を停止し、ライン川沿いのハウスボートが身動きの取れない状態に陥るなど、生活・経済への影響は広範に及んでいる。こうした状況の中、インフラ・水管理担当のフィンセント・カレマンス大臣は木曜日にナイメーヘンを視察し、干ばつ被害を受けた企業への補償を行わない方針を明確に示した。
「自然災害ではなく起業家リスク」
カレマンス大臣は、補償を見送る理由についてこう説明した。「2021年のリンブルフ州洪水のような自然災害に備えた制度は存在するが、現状はその段階には至っていない。財源もない。雨が降らないことは我々にはどうにもならない」。アムステル・ホーイ・フェフト水管理局の技術者マールテン・アウボーテル氏も、「政府——つまり市民——が天候にどこまで責任を負うべきか、という問いがある。大臣の言葉は明確だった。干ばつは起こりうるものだ」と述べ、行政の立場に理解を示した。カレマンス大臣は企業が被る経済的損失を「数千万ユーロ、場合によっては数億ユーロに上る」と推計しつつも、今回の水不足はあくまで「起業家が担うべきリスク」であり、自然災害とは一線を画すとの認識を示した。
「第2リーグから、今や欧州チャンピオンズリーグ級」
現在、オランダの水位レベルは「不足(レベル2)」に分類されており、政府が定める危機的水準(レベル3)にはまだ達していない。ただし、干ばつがあと数週間続けばその判断も変わり得る。アウボーテル氏はアムステルダム周辺の河川について「8月としては、かつてないほど流入量が少ない。1947年と比較できるが、当時は11月のことだった」と指摘。さらにサッカーになぞらえ、「6月は『2部リーグ』、7月は『1部リーグ』、8月は『チャンピオンズリーグ』の深刻さだ」と表現した。影響はすでに多方面に及んでおり、複数の水門が閉鎖され、フェリーが運休、経済的に重要なトゥウェンテ運河も通行不能となっている。政府は引き続き堤防の保全と飲料水の確保を最優先とし、企業支援は想定していない。
貯水拡大へ「淡水デルタ計画」始動
長期的な対策として、内閣は現在「淡水デルタ計画(Freshwater Delta Plan)」を策定中だ。IJsselmeerやフォルケラック・ゾームメールなどへの貯水拡大を図り、春季に蓄えた雨水を乾燥した夏季に活用できる仕組みを目指している。アムステルダムでは、雨水を集めて必要な場所に分配する「ワーディ」と呼ばれる乾式水路システムの導入が進む。アルティス動物園の主任庭園デザイナー、トン・ヒルホルスト氏は「水に対する考え方が変わった。かつては敵とみなしていたが、今は外に流すのではなく、国内にとどめなければならない」と話す。在蘭日本人にとっても、フェリーの運休や運河沿いのアクティビティへの影響は他人事ではない。今週末も好天が続く見通しで、雨の回復はしばらく見込めない状況だ。
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情報源: DutchNews



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