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ABN Amro国有化コスト、オランダ政府がほぼ全額回収へ――株価3倍の恩恵
経済 読了 2分

ABN Amro国有化コスト、オランダ政府がほぼ全額回収へ――株価3倍の恩恵

2023年末には70億ユーロの損失見込みも、その後株価が急反転

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オランダ政府が2008年の金融危機時に投じたABN Amro救済費用を、ほぼ全額回収できる見通しとなった。同行の株価が今週40ユーロを超えたことを受け、経済紙フィナンシェーレ・ダーフブラット(FD)が試算を報じた。2023年末時点では財務省自身が「短期での回収は現実的でない」と議会に説明し、約70億ユーロの損失を見込んでいたが、状況は一変している。

救済から17年、段階的売却の歩み

政府は2008年10月、親会社フォルティスの経営危機に際してABN Amro、フォルティス・バンク・ネーデルラント、そして現在ASRとして知られる保険会社を168億ユーロで一括取得した。その後も数年にわたって約80億ユーロを追加投入し、総コストは217億ユーロに達した。ABN Amroは2015年に株式市場へ再上場したものの、株価は低迷が続き、政府保有株の売却は何度も足踏みを繰り返した。

転機となったのは2023年。当時D66のシグリット・カーフ財務相が売却を再開し、それ以降の売却トランシェはいずれも前回を上回る価格を記録してきた。現在までに回収した額は142億ユーロで、残る20.5%の保有株の評価額も約67億ユーロに達している。合計すると国有化コストにほぼ並ぶ水準だ。なお、救済資金の借入利子と、これまでに受け取った配当収入はほぼ相殺されているとFDは伝えている。

株価急騰の背景と財政効果の限界

株価上昇の要因について、モーニングスターのアナリスト、ヨハン・ショルツ氏はFDに対し、「国が持ち分を売却することで銀行が経営上の自由度を高め、コスト削減を進めやすくなったこと」と「欧州銀行セクターにおける買収思惑」の二点を挙げた。2023年末に13.20ユーロ前後だった株価が40ユーロ超へと約3倍に跳ね上がったことで、わずか2年足らずで政府の試算が根底から覆った格好だ。

ただし、この”棚ぼた”が政府の財政難を直接解消するわけではない点には注意が必要だ。EU財政規則の下では、株式売却による一時収入は財政赤字の計算に算入できないため、現在のオランダ連立政権が抱える予算不足の穴埋めには使えない。在蘭日本人を含む納税者の立場からすれば、国民負担がほぼ解消されるという意味では朗報だが、公共サービスや社会保障にかかわる財政議論には直接影響しない。欧州の銀行セクターが再び注目を集めるなか、政府の残保有株がどのタイミングで追加売却されるかが次の焦点となる。

情報源: DutchNews

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