PostNL、アジア系通販の失速で荷物取扱量が減少——配達単価の引き上げで売上は維持
EU域外パッケージへの追加料金導入と翌日配達義務の撤廃も追い風に
オランダの郵便・物流大手PostNLが2026年上半期の業績を公表した。荷物の取扱量は全体的に落ち込んだものの、配達単価の引き上げによって売上高はほぼ前年水準を維持した。同社の最新四半期報告書が示す数字は、アジア系ECサイトを取り巻く環境の変化がオランダの物流業界に波及しつつあることを裏付けている。
取扱量の減少と売上維持のカラクリ
海外発の荷物数は前年同期比で15%減と大幅に落ち込んだ。主因はSheinやTemuをはじめとするアジア系ECサイトからの注文縮小だ。国内配達も消費者の購買意欲低下を反映し、4.2%の減少となった。手紙やカードなど郵便物の送付数は8%減と、長期的な逓減傾向が続いている。
それでも売上高は約15億8,900万ユーロと、2025年同期からわずか100万ユーロ減にとどまった。1配達あたりの平均単価が4%上昇したことが、量の落ち込みをほぼ相殺した格好だ。量から単価へ、収益構造の転換が進んでいることが読み取れる。
新料金体系と配達義務の緩和
この傾向は今後も続くとみられる。PostNLは7月1日からEU域外発の全パッケージに3ユーロの追加料金を課す運用を開始した。アジア系を含む海外通販利用者にとっては実質的なコスト増となり、注文数のさらなる抑制につながる可能性がある。
一方で同社にとって追い風となる制度変更もあった。7月12日付けで郵便法が改正され、これまで義務付けられていた24時間以内の配達が撤廃された。現在の最大配達日数は2日間に延長され、来年からは3日間となる見通しだ。翌日配達を希望する場合は追加料金を徴収できるようになり、サービスの有料化による収益底上げが期待される。
経営幹部の見方とオランダ社会への示唆
CEOのピム・ベレンドセン氏は今回の業績について「新戦略の規律ある展開により、堅調な結果とキャッシュフローの大幅な改善を実現した」と評価した。その一方で「外部環境の課題は増大しており、3日配達への移行などの改革を引き続き推進する必要がある」と述べ、楽観一辺倒ではない姿勢をみせた。
在蘭日本人にとって身近な影響としては、海外通販の利用コスト上昇と配達スピードの変化が挙げられる。EU域外、とりわけ日本から荷物を送ってもらう際には3ユーロの追加料金が発生する点、そして翌日配達が今後は有料オプションになる点を念頭に置いておきたい。PostNLの経営改革は、オランダの物流サービスの「当たり前」を静かに塗り替えつつある。
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情報源: DutchNews


