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シェル、オランダの太陽光発電所をTotalEnergiesに売却——再エネから石油・ガスへ回帰
経済 読了 2分

シェル、オランダの太陽光発電所をTotalEnergiesに売却——再エネから石油・ガスへ回帰

合計254MWの国内施設を手放し、欧州陸上の風力・太陽光すべてを譲渡

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シェルがオランダ国内に保有する太陽光発電所を、すべて手放すことになった。売却先はフランスのエネルギー大手TotalEnergies。対象は国内5か所の太陽光発電所に加え、エメン近郊ポッテンダイクにある風力・太陽光の複合施設で、合計出力は最大254メガワットに達し、数万世帯分の電力をまかなえる規模だ。施設の所在地はモールダイク、ヘーレンフェーン、エメン、そしてテルネイゼン近郊のサス・ファン・ヘントとコーホルスポルダーに及ぶ。今回の売却は欧州陸上の風力・太陽光プロジェクトをすべて含むものであり、売却額は非公表。規制当局の承認を経て、2026年末までに完了する見込みだ。

「脱炭素の証明」だった施設が売りに出された背景

売却される施設の中には、シェルがかつて石油・ガス事業に使っていた土地を転用して建設したものも含まれる。エメンの太陽光発電所は旧ガス処理施設の跡地に立てられ、同社は「国内の模範となりうるプロジェクト」と自ら評していた。再生可能エネルギーへの転換姿勢を示す象徴的な施設が、今や売却対象となったことは、同社の方針転換を如実に物語る。

背景にあるのは、CEOワエル・サワン氏が推し進める戦略の見直しだ。同氏は低炭素事業への支出を絞り込み、石油・ガスへの投資を優先する姿勢を鮮明にしてきた。一方のTotalEnergiesは逆の動きを見せており、欧州各地で再生可能エネルギー資産の買収を積極的に進めている。今回の取引は、両社の戦略の方向性が正反対であることを端的に示す一例といえる。

訴訟は続く——環境団体との攻防

シェルをめぐる法的な緊張も続いている。ハーグ地方裁判所は2021年、シェルに対して2030年までに排出量を45%削減するよう命じる判決を下したが、同社は翌2022年に社名から「ロイヤル・ダッチ」を外し、本社をロンドンに移転。2024年11月には控訴審で逆転勝訴を果たした。しかし環境団体ミリューデフェンシーはこの判決を最高裁に持ち込み、さらに現在も開発中の700件に上る石油・ガスプロジェクトを対象とした第二の訴訟を昨年提起している。

シェルが再生可能エネルギーから完全に撤退するわけではない。北海の洋上風力発電所への出資、ロッテルダムの水素製造施設「ホランド・ハイドロジェン1」、そして炭素回収事業は引き続き保持する方針だ。ただ、かつて「エネルギー転換の象徴」として国内に展開していた陸上の再エネ事業を一括して手放す今回の決断は、オランダの気候政策を取り巻く議論に新たな波紋を投じることになりそうだ。在蘭日本人を含む生活者の目線からも、エネルギー供給の担い手が変わることで、今後の電力市場や料金への影響がどう波及するか、注視が必要だろう。

情報源: DutchNews

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