化学大手サビックのPFAS汚染、検察が刑事捜査を開始
ゼーラント州の河口に無許可排出か——環境団体の告訴から半年で動く
オランダ検察庁(OM)は7月、プラスチックメーカーのサビック(Sabic)がゼーラント州のウェスタースヘルデ河口およびテオドールス港(Theodorushaven)に、PFAS系物質の一種であるPFBSを無許可で排出し続けた疑いがあるとして、刑事捜査を開始したと発表した。今年1月に環境・住民団体4団体が刑事告訴していたことを受けた動きで、捜査はOMの環境犯罪専門部門が担当する。
1990年代から続く疑惑——何が問題なのか
告訴状によれば、サビックおよびその前身企業であるゼネラル・エレクトリック・プラスチックスは、1990年代からPFBSを無許可でウェスタースヘルデに排出し続けてきたとされる。PFASは「永久化学物質(forever chemicals)」とも呼ばれる数千種類の化合物群で、自然環境でほとんど分解されない特性を持つ。発がん性や生殖能力の低下、免疫系へのダメージとの関連が指摘されており、国際的に規制強化が進んでいる。OMは「人と環境への潜在的リスクを考慮し、捜査のペースを維持する」と表明しており、サビック自身および同社の管理者が有害物質を地表水に放出したかどうかを調べる。
排出規制と司法の動き
サビックをめぐっては、すでに行政・司法の両面で圧力が高まっていた。昨年10月、裁判所はノールトブラバント州が設けた厳格な基準に基づき、2026年以降のPFBS年間排出量を最大2.75キロに制限するよう命じた。これはそれまでの約50キロから大幅な削減を求めるものだ。サビックはこの判決を不服として控訴している。また、国立公衆衛生環境研究所(RIVM)はすでにウェスタースヘルデ産の魚や貝類の摂取を控えるよう警告しており、河口域の生態系への影響も深刻視されている。
オランダ全土に広がるPFAS問題の構図
今回の刑事捜査は、オランダにおけるPFAS汚染をめぐる司法対応の一環として注目される。OMはすでに、ドルドレヒトに拠点を置く化学企業Chemoursに対しても別の刑事事件を進行中であり、同社は国内最大規模のPFASスキャンダルの中心に置かれている。サビックの件が加わることで、オランダの産業界における環境法令遵守への視線はさらに厳しくなりそうだ。ゼーラント州の河口域は観光や漁業にとっても重要な水域であり、在蘭日本人を含む居住者にとっても、現地産魚介類の安全性に関する最新情報を継続的に確認しておくことが求められる。
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情報源: DutchNews



