ベクセベルヘンでヒョウが飼育員を襲い死亡――動物園業界に走る衝撃
40年のベテラン飼育員が屋内スペースで被害、独立調査と労働監督機関が動く
オランダ・ブラバント州にあるサファリパーク「ベクセベルヘン」で、ベテランの女性飼育員がペルシャヒョウに襲われ死亡した。事故は土曜日に発生。悪天候のため屋内飼育スペースに入れられていた雄のペルシャヒョウ2頭のうち1頭が、作業中の飼育員に襲いかかり、頭部と首に重傷を負わせた。飼育員はその翌日に死亡が確認された。
「動物園業界全体にとって大きな衝撃」
オランダ動物園協会(Nederlandse Vereniging van Dierentuinen)の会長ウィネケ・スホーは、「誰もがいかに深刻な事態かを理解している。この出来事は長く尾を引くだろう」と述べた。同協会によれば、動物園の動物による死亡事故は「極めてまれ」であり、オランダ国内で類似の死亡事故が確認されているのは2003年が最後で、同園でゾウに襲われた36歳の男性職員が亡くなった事例だという。それ以前には2001年のアウデハンズ動物園でのライオンによる負傷事故、1981年のアメルスフォールト動物園でのクマ事故、1979年のブライドルプ動物園でのトラによる死亡事故なども記録されているが、スホー会長は「当時と現在とでは動物の行動に関する知識も法規制も全く異なる」と比較に慎重な姿勢を示した。
現在の動物園は非常に厳しい安全基準を満たすことが義務付けられており、欧州動物園協会(EAZA)による定期的な立入検査や、オランダ業界団体による審査も実施されている。それでも今回の事故が起きた経緯は、現時点では不明だ。ベクセベルヘンの広報担当者によると、当該屋内スペースには監視カメラが設置されておらず、映像による事実確認ができない状況という。通常、飼育員が猛獣と同じ空間に入ることは避けるよう運用されているが、なぜその原則が守られなかったのかも含めて解明が求められている。
調査と、残されたヒョウの行方
亡くなった飼育員は17歳でベクセベルヘンに入職し、勤続約40年のうち8年間をヒョウの担当飼育員として過ごしたベテランだった。同園は外部の独立機関に調査を依頼したほか、オランダ労働監督機関(Arbeidsinspectie)も独自に調査を開始した。スホー会長は「調査結果は他の動物園にとっても貴重な教訓になりえる。今わかっているのは結果だけで、原因はまだ何もわかっていない」と語った。
事故を受けてもサファリパーク自体は営業を継続する方針で、これは遺族との協議を経て決定された。園内には弔問記帳所が設けられ、訪問者が哀悼の意を示せる場が確保された。当事者となったペルシャヒョウ2頭については、園側が「ヒョウは本能的な行動をとったに過ぎず、動物に責任はない」との立場をとり、処分はしないと発表した。調査で動物自体に異常が認められない限り、飼育と世話は継続される見通しだ。
オランダ在住者にとっての視点
家族連れに人気のベクセベルヘンは日本人駐在員や旅行者も訪れる施設として知られており、今回の事故は地域社会にも少なからず影響を与えている。動物園の安全管理体制がいかに厳重であっても事故のリスクをゼロにはできないという現実を、業界と社会の双方が改めて突きつけられた形だ。独立調査と当局調査の結果は、今後のオランダ国内の動物園安全基準の見直しにも影響を与える可能性がある。
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情報源: NOS Algemeen


