3歳の娘の目の前で交際相手を暴行死——フライメン事件、懲役12年とTBSを求刑
靴底の跡が頭部から検出、体に21か所の傷——11月20日に判決
ノールトブラバント州フライメンで2023年7月、ジェシカ・ブランツさん(38歳)が自宅で激しく暴行され、搬送先のティルブルフの病院で死亡した。現場には当時3歳だった娘がいた。交際相手のコーン・K被告(36歳)は口論の末に暴力をふるったとされ、検察は「故意の殺人ではなく傷害致死」として起訴。法廷での審理を経て、検察官は懲役12年と強制入院を伴うTBS(措置入院)を求刑した。
靴底の跡が物語る暴力の実態
鑑識の結果、被害者の頭部からK被告の靴底の跡が検出された。体には計21か所の傷が確認され、うち16か所が頭部と首に集中していた。被告自身は「倒れた状態の交際相手を蹴っていない」と否認しているが、物証は被告の主張と大きく食い違う。弁護側は「殺意はなかった」と主張し、遺族の一部は弁護人の発言中に退廷するという緊迫した場面も生じた。
依存症と障害が「責任能力」の判断に影響
被告の背景として明らかになったのは、複合的な精神的問題だ。1日に6〜12缶のビールを飲む習慣があり、インターネットで個人的に購入したオキサゼパムなどの強力な向精神薬を常用していた。加えて境界性パーソナリティ障害や遺棄恐怖(見捨てられ不安)も抱えていたとされる。専門家の鑑定では、事件当時の責任能力は完全ではなかったと判断されており、これがTBSの求刑にもつながっている。
遺族の訴えと今後の判決
前日の公判では遺族が被害者参加権(スプレークレヒト)を行使し、それぞれの言葉で被告に向き合った。ジェシカさんの母親は「遺体はもう娘と分からないほどだった。若い子どもたちが母親なしで生きていかなければならないことを、あなたは分かっているのか」と語った。長女は「遺体が損傷しすぎてお別れができなかった。今も学校で集中できず、パニック発作が起きることもある」と証言した。遺族側は約40万ユーロ(約6,500万円相当)の損害賠償を求めている。判決は11月20日に言い渡される予定だ。在蘭日本人にとって直接的な関係は薄いが、アルコール・薬物依存が絡む家庭内暴力の深刻さと、オランダの司法がTBSという治療的措置をどう組み合わせるかを示す事例として、社会的な注目を集めている。
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情報源: NOS Algemeen


