住宅価格の高騰が生んだ「不労の富」——オランダの百万長者世帯が急増
全世帯の6.6%が純資産100万ユーロ超、地域格差も鮮明に
特別な努力も才覚も必要なかった——昨年だけで約8万1,000世帯が、ただ住宅価格の上昇によって百万長者の仲間入りを果たした。オランダ統計局CBSが発表した最新データが示す、この国の資産格差の実態は、政策論争を超えて多くの人々に現実的な問いを突きつけている。
CBSによると、2025年初頭時点で純資産が100万ユーロを超える世帯は54万7,000世帯に達し、全オランダ世帯の6.6%を占めた。前年の46万6,000世帯からの増加幅は約8万1,000世帯。さらに遡れば、2011年時点では17万世帯に過ぎなかったことを考えると、14年間で3倍以上に膨らんだ計算になる。
「不動産バブル」が生んだ資産膨張
百万長者世帯の増加を牽引しているのは、収入の増加でも金融投資の成功でもなく、住宅をはじめとする資産評価額の上昇だ。CBSは増加の主要因として「アセット・バリュエーションの上昇、特に住宅価格」を明確に挙げている。百万長者世帯の3分の2は純資産が100万〜200万ユーロの範囲に収まっており、純資産1,000万ユーロを超える超富裕層は全体の3%にとどまる。多くは、長年住み続けてきた自宅が値上がりした「資産家」であると言える。
年齢構成も特徴的だ。百万長者世帯の平均年齢は61歳であり、35歳未満が占める割合は3%未満にすぎない。若年層が百万長者になる場合、起業や企業株式の保有が主な経路とされているが、CBSは相続の影響については今回のデータで言及していない。
「ブルーメンダール4割」対「フローニンゲン5%未満」の地域格差
地域による格差も鮮明だ。アムステルダム近郊の高級住宅地として知られるブルーメンダールやラーレンでは、約5世帯に2世帯が百万長者に相当する。一方、南リンブルフ州のケルクラーデでは約100世帯に1世帯の割合にとどまり、フローニンゲン、フレヴォラント、フリースラントはいずれも5%を下回っている。住んでいる場所が、そのまま資産形成の可否を大きく左右する構図が浮かび上がる。
在蘭日本人にとっても、この数字は無関係ではない。住宅購入を検討している人にとっては、資産形成の追い風になり得る一方で、価格高騰によって購入のハードルが一層高まるという側面も否定できない。オランダの住宅市場が生み出す「不労の富」の拡大は、社会的な公平性や若年層の住宅アクセスをめぐる議論を、今後さらに加速させていくだろう。
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情報源: DutchNews


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