スマートグラスに「不快感」——オランダ人の多数がビデオ眼鏡に冷淡な理由
若者から高齢者まで、プライバシーへの懸念が広がる
MetaがRay-Ban Metaをはじめとするビデオ眼鏡の普及に力を入れるなか、オランダ国内では強い逆風が吹いている。最新の調査によると、他人がカメラ付きスマートグラスを着用しているのを見て「不快に感じる」と答えたオランダ人が大多数を占めた。年齢や世代を問わず、若者から高齢者まで幅広い層でこの傾向が一致しているのが特徴的だ。
「怖い」と感じる人々——プライバシー不安の根深さ
調査結果で目を引くのは、単なる「好き嫌い」を超えた感情的な反応だ。回答者の中には「人々が怖がっている」と表現する声もあり、見知らぬ他人に常時録画される可能性への根強い不安が浮き彫りになった。オランダはGDPR(EU一般データ保護規則)のもとでプライバシー保護意識が高い国として知られており、街中で自分が無断で撮影されるかもしれないという感覚は、多くの市民にとって受け入れがたいものとなっている。カメラの存在を外見からは判別しにくいスマートグラスの特性が、こうした不安をさらに高めている側面もある。
付加価値も見いだせず——普及への二重の壁
不快感だけでなく、実用性への懐疑も普及の障壁となっている。調査では、スマートグラスの付加価値をほとんど認めないと答えたオランダ人が大半を占めた。ナビゲーション表示やハンズフリー通話、AI連携といった機能が各社から打ち出されているものの、現時点ではオランダの消費者にとって「なくてはならないもの」とはなっていない。これはプライバシー問題とは別の次元の課題であり、メーカー側は「なぜ使うのか」という根本的な問いに答える必要がある。
在蘭日本人にとっての視点
日本でもスマートグラスへの注目は高まりつつあるが、オランダの状況は一つの示唆を与えてくれる。公共の場でこうしたデバイスを着用した場合、周囲から向けられる視線や反応は日本以上に厳しいものになる可能性がある。ビジネス用途などで使用を検討している場合は、相手や場の空気を読むことが一層重要になるだろう。公共の場での無断撮影はオランダでも法的グレーゾーンとなっており、トラブルを避けるためにも現地のプライバシー感覚を理解しておきたい。テクノロジーの普及速度と社会的受容のギャップは、オランダでは特に顕著に現れている。
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