データセンターの「環境コスト」、オランダで相次ぐ非公開問題
法的義務があっても開示されない水・電力データの実態
オランダのデータセンターが消費する電力と水の実態が、ほとんど公開されていない――。調査報道プラットフォームのLighthouse Reportsが日刊紙トラウおよびヨーロッパ各国メディアと連携して進めた1年がかりの調査により、こうした実態が浮き彫りになった。EU規則に基づいてデータセンターは電力・水の使用量をEUへ報告する義務を負っているが、実際には多くの企業がその義務を果たしておらず、開示されているデータも不完全なケースが目立つという。
5年で倍増した電力消費
オランダ統計局(CBS)の集計によると、2024年のデータセンター向け電力供給量は51億kWhに達し、国内総消費量の4.6%を占める。この数字は5年前と比べてほぼ倍増しており、増加の大きな要因として挙げられるのがAIアプリケーションの急拡大だ。クラウド上に保存される写真、文書、ソフトウェアのデータ量が増え続けるなかで、AIの普及がサーバー需要をさらに押し上げている。
送電網運営会社TenNetは、2030年にはデータセンターが国内電力消費の10〜15%を担うと予測している。すでに送電網の容量不足は深刻で、一般企業、公共機関、住宅地への電力供給にまで待機リストが生じている状況だ。政府系機関RVOのデータによれば、マイクロソフトがオランダに持つ最大のデータセンター1棟だけで国内消費の約1%を使用しているとトラウは報じている(使用電力は再生可能エネルギー由来)。一方、グーグルはオランダで2つの大規模データセンターを運営しているが、消費量を公開していない。
「アーフス条約」による開示請求へ
水の消費についても不透明さは変わらない。オランダ国内での水使用量は推定で全体の0.1%程度とされ、現時点では深刻なレベルではないとみられている。しかしヨーロッパ全体に目を向けると、気候変動に伴う干ばつや水不足が頻発するなかで、データセンターの水消費は多くの国で重大な問題になりつつある。
調査チームは情報公開を求めて行政手続きを試みたが、これまでのところ成果は得られていない。そこで次の手段として、EU加盟国すべてが署名している「アーフス条約」に基づく特別手続きを開始した。同条約は市民が環境情報へアクセスする権利を保障しており、法的拘束力を持つ枠組みとして活用される見通しだ。
在蘭日本人にとっての意味
オランダは欧州有数のデータセンター集積地であり、多くの日本企業や在蘭日本人も日常的にそのインフラを利用している。送電網の逼迫が続けば、企業の新規接続申請の遅延や電力コストの上昇といった形で生活・ビジネス環境にも波及する可能性がある。今回の調査報道を機に、データセンターの透明性と環境負荷をめぐる議論がオランダ国内でどのように展開していくか、引き続き注目が必要だ。
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情報源: NOS Algemeen
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