Metaスマートグラス、盗撮リスク認めても販売継続へ——蘭団体が差し止め申請へ
プライバシー保護団体が仮処分申請を検討、問われるウェアラブル時代の倫理
Metaは自社のカメラ搭載スマートグラス「Ray-Ban Meta」が、公共の場での無断撮影——いわゆる盗撮——に使用されているケースがあると認めた。それでも同社は販売を継続する方針を変えておらず、オランダ国内の複数のプライバシー保護団体がこの対応に強く反発している。
「知っていてもやめない」Metaの姿勢に批判
問題の核心は、Metaが自社製品の悪用を把握しながら、対策を講じずに販売を続けるという決断にある。スマートグラスに内蔵されたカメラは一見して目立たないため、撮影されている側が気づきにくい。通常のスマートフォンであれば、画面を向けられれば撮影されていると察知できるが、眼鏡型デバイスではその手がかりすら奪われる。プライバシーの専門家や市民団体からは、「製品設計そのものが盗撮を可能にしている」との指摘が相次いでいる。
オランダ団体が仮処分申請を準備
こうした状況を受け、オランダの複数の団体が販売差し止めを求める仮処分申請(kort geding)に踏み切る意向を示している。kort gedingはオランダの民事手続きにおける緊急の仮処分制度で、通常の訴訟よりも短期間で判断が下される。申請が受理され裁判所が差し止めを認めれば、オランダ国内での販売が一時的に停止される可能性もある。このような法的手段が実際に製品の販売に影響を与えるかどうかは、今後の裁判所の判断次第だ。
在蘭日本人にとっての意味
スマートグラスはすでにオランダ国内の電器店や一部小売店で購入できる状態にある。公共の場で知らぬ間に撮影されるリスクは、観光客の多い都市部やショッピングエリアでは特に高い。在蘭日本人にとっても、電車やカフェ、街中での何気ない日常が記録対象になりうることを意識しておく必要があるだろう。また、もし自分がこのデバイスの購入を検討しているなら、オランダのプライバシー法(AVG/GDPR)の下では他者の無断撮影・記録は違法となり得る点を念頭に置くべきだ。この問題はMetaの一製品にとどまらず、ウェアラブル技術が日常に溶け込むにつれて社会が直面する、より根本的なプライバシーの問いを先取りしている。
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情報源: NU.nl
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