燃料税格差で国境地帯に「ゴースト村」化の懸念——オランダ経済団体が是正を求める
燃料税格差で国境地帯に「ゴースト村」化の懸念——オランダ経済団体が是正を求める
隣国との価格差が広がるなか、国境沿いの店舗・ガソリンスタンドが存続の岐路に
オランダと隣国ベルギー・ドイツとの燃料税(アクシンス)の格差が深刻な問題として浮上している。オランダの2つの主要経済団体が相次いでこの問題を取り上げ、このまま放置すれば国境地帯の商業が壊滅的な打撃を受けると警告を発している。ガソリンスタンドや商店、飲食店が次々と廃業に追い込まれ、地域全体が住民の少ない「ゴースト村」へと変貌しかねないというのが、両団体の共通した懸念だ。
国境を越えるだけで「お得」になる現実
オランダの燃料税は周辺国と比べて高水準に設定されており、その結果、国境付近に住む住民にとっては隣国で給油する方が明らかに割安という状況が生まれている。燃料だけでなく、日用品の購入や飲食なども含めて隣国で済ませる「越境消費」が広がれば、地元の小売業や飲食業への打撃は避けられない。経済団体はこうした行動変容がすでに起きており、今後さらに加速する可能性があると指摘する。価格差が縮まらない限り、消費者の合理的な選択として越境消費は続くとみられる。
「ゴースト村」化という現実的リスク
2つの経済団体が特に危惧するのは、廃業の連鎖による地域の空洞化だ。ガソリンスタンドが閉店すれば、立ち寄り客を当て込んでいた周辺の商店や飲食店もその集客力を失う。一軒の閉店が地域全体の衰退を引き起こす「ドミノ倒し」的な構造が、国境地帯ではとりわけ起きやすいという。団体側は「このまま格差が是正されなければ、国境地域はサービスも店舗もない地帯になる」と強い表現で政府に警告し、アクシンスの引き下げや周辺国との調整を求めている。
在蘭日本人・オランダ社会全体への含意
国境地域の「ゴースト村」化は、単に地元事業者の問題にとどまらない。地域コミュニティの維持、雇用の確保、さらには緊急時のインフラとしてのガソリンスタンドの存在意義など、社会基盤に関わる問題へと発展しうる。オランダ南部や東部の国境沿いに住む日本人駐在員や留学生にとっても、身近なサービスが失われるリスクとして他人事ではない。政府が税制をめぐる議論にどう向き合うか、その動向が今後の国境地帯の姿を大きく左右することになる。
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