中間賃貸住宅の不足が、住宅市場の流動性をさらに圧迫している
「ミドルレント」拡充なくして住宅市場の再活性化なし、と専門家
オランダの住宅不足は長年にわたる構造的な問題だが、政府が打ち出した「住宅建設加速行動計画(Actieplan Versnelling Woningbouw)」だけでは解決の糸口が見えないとの見方が強まっている。新規建設の量的な拡大を急ぐ一方で、専門家が特に問題視するのが、**中間価格帯の賃貸住宅(ミドルレント)**の慢性的な不足だ。
ミドルレントとは何か、なぜ重要なのか
ミドルレントとは、社会住宅(ソーシャルハウジング)の家賃上限を超え、かつ民間の高額賃貸には届かない、いわば「中間」に位置する賃貸住宅を指す。収入が社会住宅の入居基準を上回ったものの、住宅購入にはまだ踏み切れない層、たとえば若い共働き夫婦や中所得の単身者などが主な対象となる。こうした層の受け皿が不足しているため、本来なら社会住宅を出るべき人々がそのまま居住し続け、必要な人への住宅が回らないという「目詰まり」が生じている。
住み替えの流れが止まると市場全体が停滞する
住宅市場は、人々が段階的に住み替えることで全体が循環する仕組みになっている。ミドルレントが不足すると、この循環が各所で遮断される。社会住宅に空きが生まれず、賃貸から持ち家へのステップアップも難しくなり、市場全体の流動性が低下する悪循環に陥る。専門家はこの構造的な停滞こそが、住宅危機を長期化させている主因だと指摘する。新築戸数を増やすだけでは、この連鎖を断ち切ることはできない。
在蘭日本人への影響と今後の焦点
オランダに駐在・移住する日本人にとっても、住宅探しの困難さは切実な問題だ。特にアムステルダムやロッテルダムなどの大都市圏では、手頃な賃貸物件の競争が激しく、ミドルレント帯の物件は問い合わせから数日で埋まることも珍しくない。政府の行動計画が実効性を持つためには、新規建設の加速と並行して、民間投資家や住宅法人がミドルレント物件を供給しやすい環境整備が求められる。政策の焦点がどこに当たるかによって、今後の住宅市場の行方は大きく左右されることになる。
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情報源: NU.nl



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