賃上げより投資優先へ――オランダ雇用主団体、2027年のCAO交渉で方針転換を宣言
賃上げより投資優先へ――オランダ雇用主団体、2027年のCAO交渉で方針転換を宣言
教育・AI・生産性への投資で「将来の賃上げ余地」を確保する戦略
オランダの主要な雇用主団体が、2027年の労働協約(CAO)交渉に向けて従来の姿勢を大きく見直す意向を示した。これまでの交渉では賃上げが最大の争点となるのが通例だったが、雇用主側は「すべての余地を即時の賃金引き上げに充てるべきではない」と主張。教育訓練、人工知能(AI)の活用、そして生産性向上への投資を優先することで、企業の体力を底上げしたい考えだ。
「今は投資、後で賃上げ」という論理
雇用主団体が掲げるのは、いわば「先行投資による将来の果実」という論理だ。企業が競争力を強化することで生産性が高まり、結果として将来的により大きな賃上げ余地と雇用の維持につながると説明する。賃金を今すぐ引き上げるよりも、教育やデジタル化への投資を通じて企業基盤を固めることが、労働者にとっても長期的には有利だという主張だ。
背景には、欧州全体で進む経済環境の変化がある。エネルギー価格の高止まりや国際競争の激化を受け、多くのオランダ企業がコスト圧力にさらされている。雇用主側は、こうした環境下で賃上げと投資のバランスを取り直さなければ、企業の存続そのものが危うくなると危機感を訴える。特にAIや自動化への対応が急務とされる製造業やサービス業では、人材育成への投資が中長期的な競争力の鍵を握るとされている。
労働者側との合意が最大の課題
もっとも、この方針転換が労働組合側にすんなりと受け入れられるかどうかは別問題だ。インフレによる実質賃金の目減りを経験してきた労働者にとって、「将来の賃上げのために今は我慢を」という論理は説得力を持ちにくい面もある。2027年のCAO交渉に向け、雇用主と労働組合がどのような歩み寄りを見せるかが、最大の焦点となる。
オランダに暮らす日本人にとっても、この動向は無縁ではない。現地企業に勤める場合、自身の給与や福利厚生はCAOの枠組みに直接影響を受ける。また、日系企業がオランダ人スタッフを雇用する際の労務管理にも、今後の交渉結果は大きく関わってくる。「今は投資、後で賃上げ」という雇用主側の論理が労使間でどう決着するか、2027年に向けた議論の行方を注視しておきたい。
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情報源: NU.nl



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