Z世代は住宅購入が遅れるが、長期的な資産形成では上回る
購買力・資産では優位も、20代での持ち家取得は前世代を下回る実態
オランダで「Z世代(1990年代後半〜2010年代初頭生まれ)は住宅を持てない世代だ」という言説が広まっているが、実態はやや異なる。NU.nlが伝えた調査結果によると、若い世代は同じ年齢で比較した場合、前の世代よりも購買力や資産が多い傾向にある。ただし、20代前半の時点での住宅購入率は前世代を下回っており、持ち家取得のタイミングが全体的に後ろ倒しになっていることは事実だ。
資産では優位、しかし住宅だけが例外
世代間の経済格差を語る際、しばしば見落とされるのが「同年齢での比較」という視点だ。所得水準や金融資産の蓄積を同じ年齢層で横断的に比較すると、Z世代は団塊世代やミレニアル世代が同年齢だったころよりも裕福である場合が多い。高等教育の普及や共働き世帯の増加、デジタル経済の恩恵などが背景にあるとみられる。
一方で住宅購入に限ると話は別だ。オランダの不動産市場はここ十数年で価格が急騰しており、主要都市では住宅価格が2010年代初頭と比べて倍以上に膨らんだ地域も少なくない。頭金の確保や住宅ローン審査の厳格化が重なり、若年層が20代のうちに購入に踏み切るハードルは確実に上がっている。
「遅れ」は将来の資産形成を損なうのか
重要なのは、住宅購入の先送りが長期的な資産形成にとって必ずしも不利にはたらかないという点だ。賃貸で柔軟に暮らしながら金融資産を積み上げ、住宅市場の状況を見極めてから購入に踏み切るという戦略は、低金利時代には特に有効だった。調査はむしろ、住宅取得が遅れた世代が後年にはより多くの純資産を持つ傾向があることを示しており、「持ち家こそ資産形成の王道」という従来の常識を問い直す材料を提供している。
在蘭日本人への示唆
オランダに暮らす日本人にとっても、この構図は他人事ではない。駐在から定住へと移行する層や、現地で長期的なキャリアを築く若年層が住宅購入を検討する際、「今すぐ買わなければ損」という焦りは必ずしも根拠がない。住宅価格の水準や自身の在蘭期間の見通しを冷静に見極めながら、資産全体のバランスを考えることが求められる。オランダ社会全体でも、住宅政策と世代間の資産格差をめぐる議論は続いており、今後の政策動向にも注目が集まっている。
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情報源: NU.nl



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