オランダの暗号資産プラットフォームKnakenが破産宣告――700万ユーロが消失、刑事捜査へ
AjaxとFeyenoordのスポンサーも務めた人気サービス、欧州新規制の壁に
ロッテルダムの裁判所は先日、オランダの暗号資産取引プラットフォーム「Knaken」の破産を正式に宣告した。検察当局によると、顧客資金およそ700万ユーロが消失しており、刑事捜査が開始されている。顧客はすでに1か月以上にわたってアカウントや残高へのアクセスを完全に遮断された状態にあり、同社の破綻は多くの個人投資家に深刻な打撃を与えている。
家宅捜索と刑事捜査の経緯
検察当局は6月、Knakenの破産を裁判所に申請すると同時に、刑事捜査を開始した。不正捜査機関FIOD(税務・経済犯罪捜査局)は6月末に同社への家宅捜索を実施し、コンピューターや携帯電話などの機器のほか、資産の一部を押収した。公共放送NOS の報道によれば、同社の顧客数は約3万人に上るとされる。アプリとウェブサイトが閉鎖されてから1か月余りが経過した現在も、返金の目処は立っていない。
Knakenは、顧客資金を会社の資産と切り離して保全するため、「Stichting Knaken Payments」という財団を設立していた。これは、会社が経営危機に陥った場合でも顧客が資金を失わないようにするための仕組みだった。しかし同財団は返済手続きをいまだ開始しておらず、Knaken側は「慎重な法的・業務的な準備が必要」と説明していた。裁判所は今回、会社本体とこの財団の双方に対して破産宣告を下しており、顧客保護の枠組みそのものが機能しなかった形だ。
欧州新規制が引き金に
Knakenは2017年に設立され、ユーロなどの法定通貨と暗号資産を相互に交換・取引できるサービスを提供してきた。2021年にはサッカーの名門クラブであるアヤックスとフェイエノールトのシャツスポンサーを務めるなど、オランダ国内での知名度は高かった。しかし今年から施行された欧州連合(EU)の新たな暗号資産規制「MiCA(暗号資産市場規制)」への対応が直接の引き金となった。MiCAのもとでは暗号資産サービス事業者に正式なライセンスの取得が義務付けられたが、Knakenはこれを取得できず、経営が行き詰まった。
在蘭日本人への影響と教訓
オランダに居住する日本人の中にも、Knakenを利用していた人がいる可能性は否定できない。現時点では破産管財人が手続きを進めているが、裁判所が「顧客への全額返済に必要な資本が不足している」と認定している以上、資金の一部または全額が戻らないリスクがある。今回の一件は、規制対応の遅れが利用者保護に直結するという暗号資産業界の構造的な問題を改めて浮き彫りにした。EU全域でMiCAの適用が本格化するなか、利用する取引所やプラットフォームがライセンスを正式に取得しているかどうかを確認することが、これまで以上に重要になっている。
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情報源: DutchNews


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