メインコンテンツへスキップ
Limburg flood damage Netherlands
政治・行政 読了 2分

リンブルフ洪水から5年——災害後の損害補償、いまだ「二次災害」の懸念

保険業界団体が制度的な不備を改めて指摘、被災者支援の仕組みに課題

この記事をシェア ✓ コピーしました

2021年7月、オランダ南部リンブルフ州を襲った大規模洪水は、数千件にのぼる建物被害と甚大な経済的損失をもたらした。あれから5年が経った今、物理的な傷跡は少しずつ癒えつつある。しかし、オランダ保険業界団体「Verbond van Verzekeraars」は、災害時の損害補償をめぐる制度的な問題は依然として解決されていないと改めて警告している。

「災害後の災害」という懸念

同団体が繰り返し使う表現が「een ramp na de ramp(災害後の災害)」だ。大規模災害が発生した際、被災者が直面するのは物的な被害だけではない。損害査定の手続きの煩雑さ、保険適用範囲の不明確さ、行政支援との調整不足——こうした要因が重なることで、被災者の経済的・精神的な回復は大きく遅れる。損害処理の複雑さ自体が、二次的な被害をもたらしかねないというのが業界団体の一貫した主張だ。リンブルフの事例では、実際に多くの住民が補償の手続きに長期間翻弄され、生活再建が滞る事態が相次いだとされる。

制度整備が追いつかない背景

オランダでは洪水による住宅被害は標準的な火災保険の対象外となるケースが多く、被災者は政府の補償制度(Wet tegemoetkoming schade bij rampen、通称Wts)に頼らざるを得ない場面も多い。しかしこの制度は適用条件が厳しく、支給額にも上限がある。Verbond van Verzekeraarsは、保険と公的支援の役割分担を明確化した新たな枠組みの構築が必要だと訴えており、業界・政府・自治体が連携した包括的な災害補償モデルの検討を求めている。気候変動の影響で極端な降雨や洪水のリスクが高まるなか、現行の仕組みのままでは次の大規模災害に対応できないという危機感は強い。

在蘭日本人にとっての意味

オランダに暮らす外国人にとっても、この問題は他人事ではない。住宅保険や賃貸物件の保険に何が含まれ、何が含まれていないのかを平時から確認しておくことは、いざというときの備えとして重要だ。洪水リスクのある低地エリアに居住する場合は、保険の適用範囲を今一度確認することを推奨すると専門家は口をそろえる。リンブルフの教訓は、制度改革を求める声であると同時に、個人レベルでのリスク管理の重要性をも浮き彫りにしている。

情報源: NU.nl

この記事をシェア ✓ コピーしました

📩 無料メールニュース

明日のオランダニュースも、メールで読みませんか?

毎朝、その日のニュース要約と音声版(ポッドキャスト)が
メールで届きます。無料です。

無料で購読する

関連ニュース