問題オオカミの射殺、今夏より条件付きで許可へ――農業国務長官が緊急規則を発動
子どもが校内に避難する事態も 自治体・州が申請可能に
オランダで人や家畜への被害を引き起こしている、いわゆる「問題オオカミ」への対応が大きく動いた。農業担当のエルケンス国務長官は、約2週間以内に新たな行政規則(AMVB)を発動すると表明。人を傷つけたり攻撃的な行動をとったオオカミ、あるいは2週間以内に2回以上、柵の中の家畜や馬を襲ったオオカミを「問題オオカミ」と定義し、自治体や州が射殺許可を申請できるようにする。国会はこうした措置について夏季休暇明けに審議する予定だったが、エルケンス長官は「それ以上待つことは責任ある対応とは言えない」として、権限の範囲内で前倒し実施に踏み切った。
なぜ今、緊急対応なのか
背景にあるのは、オランダ国内でのオオカミ関連インシデントの急増だ。現在、国内には約14のオオカミの群れが生息しているとされ、近年は学校周辺にオオカミが出没し、子どもたちが校舎内に待機を余儀なくされる事態も複数回発生している。農家や地域住民からの不満は高まっており、自治体や州からも早急な解決策を求める声が上がっていた。4月の時点でエルケンス長官は「現状ではほとんど何もできない。支持基盤が失われており、テーマとしてかなりの社会的分断を生んでいる」と述べていた。
一方、ウトレヒト州では以前、問題オオカミ「ブラム」の射殺許可が一度は下りたものの、暗闇の中で実施されたことが後に問題視され、法的に許容されないと判断された経緯もある。こうした法的な不透明さを解消するためにも、明確な基準を定めた規則の整備が急務となっていた。
自然保護派と農家、続く対立
オオカミをめぐっては、自然愛好家や生態学者が「生物多様性の豊かさにつながる」として歓迎する一方、農家や周辺住民はその脅威を強く訴えており、社会的な亀裂は深まる一方だ。EUレベルでは、オオカミの保護区分がかつての「厳重保護種」から**「保護種」へと引き下げられた**。これにより加盟各国は、この地位に配慮しつつも独自の管理政策を設けやすくなった。
今回の新規則では、射殺許可の申請に加え、ペイントボール銃や光・音を使った威嚇手段の早期解禁も盛り込まれており、致死的手段に至る前の段階での対応策も拡充される。国会では休暇明けに「法的に持続可能な管理戦略」の審議が続く予定で、今夏の規則はあくまで暫定的な緊急措置という位置づけだ。オランダで農村地帯や自然公園の近くに暮らす在住者にとっては、地元自治体の動向と合わせて注目しておきたい政策の変化と言える。
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情報源: NOS Algemeen

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