ボックス3課税法案、上院の採決を夏以降に延期——秋の予算発表が焦点に
連立与党も反対に回る見通しで、財務次官が修正案の策定を迫られる
貯蓄・投資・不動産への課税を定める「ボックス3」制度の新法案をめぐり、オランダ上院(Eerste Kamer)は採決を少なくとも夏以降に先送りすることを決めた。エーレンベルフ財務次官(D66)が提出した現行案は、連立与党のVVDやCDAからも反対票が出かねない状況となっており、次官は修正案の策定を改めて求められる形となった。2028年以降の課税方式はいまだ不透明なままだ。
「妥協の産物」に広がる不満
現行法案は二つの課税方式を組み合わせた政治的妥協案だ。預金・投資の運用益には毎年課税する「vermogensaanwasbelasting(未実現利益課税)」を適用し、セカンドハウスやスタートアップ株式については売却時のみ課税する「vermogenswinstbelasting(キャピタルゲイン課税)」を組み合わせる内容となっている。しかし、株式などを保有したままでも毎年課税される前者の方式に対する反発が特に根強く、多くの政党が売却時のみ課税する方式への一本化を求めている。税務当局(Belastingdienst)のITシステムが完全なキャピタルゲイン課税に対応できないという政府の説明のもと、下院(Tweede Kamer)は「不本意ながら」この妥協案を可決していた経緯がある。
上院が「採決待ち」を選んだ理由
上院がいま採決しない道を選んだのは、エーレンベルフ次官が複数の修正案を示したためだ。たとえば投資家がある年の損失を翌年以降の利益と相殺できる「損益通算」の導入などが検討されている。これらの修正内容は「novelle(追補法)」として下院に差し戻されたうえで上院に送られる見通しで、上院議員たちは「最終的に何を審査するのかを明確にしてから判断したい」との立場をとっている。VVDのマルヨレイン・ファン・デル・リンデン上院議員は「次官が解決策をもたらしてくれると引き続き期待している」と述べ、Proのフェルド・クローン上院議員も「全体のパッケージで採決するものだ」と同調した。一方、BBBのバルト・クローン上院議員は「法案提出者自ら大幅修正を何カ月も前から認識していながら審議を続けてきたのは異常だ」と過程の混乱を批判した。
秋のプリンセスダッハが次の焦点
修正案の内容と財源の詳細は、秋の予算発表日「プリンセスダッハ」に明らかになる見通しで、その後に上院・下院がそれぞれ内容を精査する流れとなる。財源問題は特に重く、修正にかかる費用は数十億ユーロ規模に上るとされ、政府の方針では財務省予算の枠内で賄う必要があるため、他の増税措置とのトレードオフも避けられないとみられている。
在蘭の日本人投資家や不動産オーナーにとって、ボックス3の課税方式は毎年の申告額に直結する問題だ。現行の「みなし利回り」課税からの移行が2028年に予定されているなか、制度の最終形がいつ確定するかは依然として不透明で、今後のプリンセスダッハの動向を引き続き注視する必要がある。
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情報源: NOS Algemeen
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