オランダの母乳サンプル全件でPFAS検出、5人に1人が安全基準超え
RIVMの大規模調査が示す「永遠の化学物質」汚染の実態
オランダ公衆衛生・環境研究所(RIVM)が委託した大規模調査で、検査対象となった1,629件すべての母乳サンプルからPFAS(有機フッ素化合物)が検出された。そのうち18%、すなわち5人に1人の割合で、安全とされる基準値を超える濃度が確認された。主任研究者のジョーク・ヘレマンス氏は、この結果を「衝撃的」と表現している。
「永遠の化学物質」とは何か
PFASとは、シャンプー・食品包装・化粧品・塗料など日常的な製品に広く使われる29種類の化合物の総称だ。自然環境でほとんど分解されないことから「永遠の化学物質(forever chemicals)」とも呼ばれる。体内に蓄積したPFASはがんやホルモン障害との関連が指摘されており、乳児においては免疫系への悪影響も懸念されている。免疫機能の低下により疾病にかかりやすくなるほか、ワクチンの効果が減弱する可能性も報告されている。
今回の調査では、PFOSとPFOAの2種類がほぼすべてのサンプルから、さらに別の4種類が93%のサンプルから検出された。一方、残る21種類はほとんど検出されなかった。ヘレマンス氏は「人工的な物質があらゆる場所から見つかることは、決して望ましくない」と述べ、社会全体での対応の必要性を強調した。
規制の効果と今後の課題
一方で、今回の調査結果には一定の好材料も含まれていた。6年前に実施された小規模調査と比較すると、PFAS濃度は全体的に低下していたのだ。RIVMはこれを、政府による規制の成果と分析している。PFOSは2008年に、PFOAは2020年にそれぞれ商業利用が禁止されており、長年にわたる規制強化が徐々に環境中の濃度低下につながっていると見られる。
母乳育児はやめるべきか
懸念が広がる中、RIVMは引き続き母乳育児を推奨する姿勢を維持している。その理由の一つが、代替となる粉ミルクにも高濃度のPFASが含まれているという事実だ。ヘレマンス氏は「母乳には重要な栄養素だけでなく、病気から守る物質も含まれている」と述べ、母乳の総合的なメリットを強調した。
また同氏は、市販の母乳PFAS検査キットを利用することについて「結果をどう活用すればいいかが現時点ではわからない」として、使用を勧めない立場を示した。現時点で授乳中止を勧める基準値は設定されていないという。在蘭日本人の子育て世帯にとっても、食品包装や日用品を通じたPFAS摂取は身近な問題だ。今後のRIVMの動向や、EUレベルでの規制強化の議論を継続して注視していく必要がある。
広告掲載にご興味のある方は こちら
情報源: DutchNews


/https://content.production.cdn.art19.com/images/c8/0d/d3/2a/c80dd32a-cdd0-4ac0-926c-6cf20d3f5a14/92419bbca54f79b205275f8406c01019e3992c550445433b216528be175d641cb71d24185c0a7433adae777e927c30531d58cb1af6f0ac1d444ab517564dba48.jpeg)

