Box 3資産課税の過払い補償、不服申立なき納税者には認めず——オランダ最高裁が判決
最大40億ユーロの還付リスクを回避、ただし欧州裁判所への上訴の可能性も
オランダ最高裁は6月、Box 3資産課税の過払い分をめぐり、期限内に正式な不服申立を行わなかった納税者の補償請求を認めない判決を下した。今回の訴訟は、申立を行わなかった2名の納税者が事後的に過払い分の返還を求めたもので、最高裁はいずれの請求も退けた。この判決が認められていれば、同様の状況にある数千人の納税者に対しても補償が認められる先例となり得た。
「架空利回り」課税が違法と認定された経緯
問題の発端は、2017年から2020年にかけてオランダ国税当局が適用していたBox 3の課税方式にある。当時の制度は、実際の運用益ではなく架空の想定利回りをもとに貯蓄・投資所得を計算し、課税していた。2021年に最高裁はこの方式が、財産権および欧州人権法に抵触するとして違法と認定。これにより、期限内に不服申立を行っていた納税者には還付申請の道が開かれた。
一方で、申立を行わなかった納税者が事後的に補償を求められるかどうかは、これまで明確な判断が示されていなかった。今回の判決がその点に決着をつけた形だ。
最大40億ユーロの還付リスクを回避
今回の訴訟で最も注目されていたのは、その財政的影響の大きさだ。もし補償が認められていた場合、国庫への還付負担は最大40億ユーロに達する可能性があるとされていた。判決はその事態を回避する結果となった。
ただし、今回の訴訟が欧州裁判所に持ち込まれる可能性は残っている。欧州レベルで異なる判断が下された場合、状況が再び動く可能性は否定できない。
一方、政府は現行のBox 3制度そのものの見直しを継続している。現在は架空利回りではなく実際の運用益に基づく課税への移行が検討されているが、新制度の設計は難航しており、具体的な導入時期はまだ見通せていない。
在蘭日本人への影響と今後の注目点
オランダに居住し、貯蓄口座や投資口座を持つ日本人にとっても、Box 3課税は無縁ではない。2017〜2020年の税務申告において、申立期限内に不服申立を行わなかった場合、今回の判決によって過払い分の補償を求めることは事実上困難になったといえる。
今後の焦点は、欧州裁判所が上訴を受理するかどうか、そして政府が実際の運用益ベースの新制度をいつ、どのような形で導入するかにある。制度変更は在蘭の資産運用に直接影響するため、引き続き動向を注視しておきたい。
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情報源: DutchNews
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