20歳、オランダ史上最年少の市政執行委員に就任——法学生がつないだ地域政治
請願活動から3年、フリースラントの若者が地方行政の扉を開く
多くの20歳が今夜の予定を考えている頃、ティーメ・ヘーリンハはフリースラント州ダントゥマディール市の執行委員会に席を置いた。オランダ全土で記録が残る限り、史上最年少の市政執行委員(wethouder)の誕生である。グローニンゲン大学で法律を学びながら実家に暮らす彼は、教育・文化・若者政策のポートフォリオを担う。「周囲の反応は驚きでしたね」と本人は静かに語る。
請願書一枚から始まった政治キャリア
ヘーリンハが政治と向き合ったのは2022年、高校4年生のときだった。地元ドックムにあるドッキンガ・カレッジの新校舎建設を求め、クラスメートとともに請願活動を立ち上げた。その動きがフリースラントの地域政党「フリースカ・ナシオナレ・パルタイ(FNP)」との縁を結ぶ。フリースラントのアイデンティティや地元企業を支援するFNPの姿勢に共鳴し、入党。2025年の国政選挙では全国を駆け回って候補者リスト20位として活動し、19歳でダントゥマディールの党首(lijsttrekker)に就いた。「連立に加わることになるとは、私たち自身も驚きでした」と振り返る。市政執行委員のポストはそこから生まれた、いわば想定外の展開だった。
「若さ」を強みに変える視点
オランダの市政執行委員は全国に約1,000人いるが、30歳未満はわずか2%に満たない。市政執行委員協会(Wethoudersvereniging)のハッテ・ファン・デル・ウーデ事務局長は「若い行政官は異なる視点をもたらす」と歓迎する。ヘーリンハも同様の自覚を持つ。「自分が若者の問題を肌で理解しているから、SNSで何が話題になっているかも分かる。ベテランの委員たちと互いに補い合える」と言う。一方で、週50〜60時間の激務や、不在がちになる生活、そして批判への耐性が求められることも承知している。19歳で党首に就いた際にも懐疑的な目を向けられたが、「Facebookで何を言われても見ない。結果で示してきた」と涼しい顔だ。
在蘭社会への示唆——世代と行政の距離
ヘーリンハの就任は、若い世代と地方政治の距離感という課題を改めて浮かび上がらせる。バスの運転手として働きながら学業と党首職を兼ねてきた彼にとって、「友人たちが謳歌する学生生活」とは少し離れた場所に自分のキャリアがある。それでも「自転車で街を走れば人に会える。気軽に連絡してほしい」と語る姿勢は、行政と市民の距離を縮めようとする実践的な意志の表れだ。ファン・デル・ウーデが指摘するように、行政経験の有無は年齢によらない——その言葉を体現するのが、FNPにとって10年以上ぶりとなる市政執行委員でもある20歳の新人だ。
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情報源: NOS Algemeen
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