コロナ調査委員会、医療行政トップと看護師代表を尋問——パンデミック下の現場崩壊を検証
「あらゆるものが不足していた」——証人たちが語る医療の実態
オランダ議会のコロナ調査委員会(Parlementaire enquêtecommissie corona)は、医療行政への影響をテーマとする証人尋問週間の締めくくりとして、元医療・青少年監察局長官マリナ・エッケンハウゼン氏と、看護師・介護士の職能団体V&VN会長ビアンカ・ブールマン氏を召喚した。同委員会は今週、複数の医療関係者からパンデミック期の政策と現場実態について証言を聴取している。水曜日には物議を醸した家庭医ロブ・エレンス氏がアストラゼネカのワクチンへの「直感的な不信感」を語り、微生物学者アムリッシュ・バイジョー氏は第一波収束後の内閣の対応を「投げやり」と批判した。
「あらゆるものが不足していた」——行政トップが語る医療崩壊
午前10時から証言台に立ったエッケンハウゼン氏は、小児科医として医療キャリアを積んだ後、病院経営者を経て厚生・福祉・スポーツ省(VWS)の官僚へと転身した人物だ。コロナ第一波では医療監察局の主任監察官として、その後は同局長官として対応にあたった。日刊紙トラウへの過去のインタビューでは「コロナの間、医療の現場にはあらゆるものが不足していた」と述べており、人材・医薬品・医療用具のいずれにおいても深刻な欠乏が生じたことを明かしている。さらに「パンデミック後に回復するかと期待したが、今も医療全体で不足が広がっている」と、構造的な問題への懸念も示している。なお、同氏は今年7月以降、税務・補助金・税関分野の担当へと異動することが決まっている。
現場の声を届けた看護師代表——「見えにくい」ケアへの警告
午後2時には、この週最後の証人としてブールマン氏が登場した。アムステルダムUMCで急性期高齢者ケアの教授を務め、VWSの介護施設政策にも助言してきた同氏は、パンデミック最盛期に医療従事者の10人に1人が病欠・過労・退職によって現場を離れたと2021年にNRCへ語っている。V&VNの公式サイトによると、ブールマン氏は「看護師や介護士、専門看護師がコロナ対策の意思決定に参加できるよう積極的に働きかけた」という。特に、訪問介護、介護施設、精神科、障がい者施設といった「注目されにくいケア領域が政策の盲点になっている」と繰り返し警告してきた点が、同氏の証言の核心になるとみられる。
来週は「学校閉鎖」へ——調査の焦点が社会全体へ
今週の尋問を通じて浮かび上がったのは、医療行政の意思決定がいかに断片的で、現場との乖離を抱えていたかという実態だ。在蘭日本人にとっても、当時の学校閉鎖や保育施設への対応は記憶に新しいことだろう。来週の委員会は学校閉鎖問題を取り上げる予定で、関連する証人も新たに発表される見通しだ。調査対象がより広い社会領域へと移行していくなかで、オランダのコロナ対応の全体像が少しずつ明らかになっている。
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情報源: NRC
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