D66とVVDの「影の取引」が野党の不信を招く——少数与党の議会工作の是非
開発援助予算をめぐる水面下の交渉が政界に波紋
オランダ政界で、少数与党内閣の議会工作をめぐる論争が起きている。D66のスホールズマ開発協力相が開発援助予算を上院で可決させるために行った交渉の中に、野党には知らされていなかった「影の取引(schaduwdeal)」が存在していたことが明らかになり、各野党が強い不信感をあらわにしている。
表の合意と水面下の取引
スホールズマ大臣はまず、Pro党との合意を通じて上院での過半数確保に成功した。開発援助予算の支持と引き換えに、Pro党に対して一定の条件を約束したとみられている。しかし野党各党が知らなかったのは、D66が同時にVVDとも別途の取引を交わしていた点だ。VVDは予算への賛成と引き換えに、テロ礼賛行為を刑事罰の対象とする法案の提出権を得た。この法案自体はスホーフ前内閣のもとですでに準備が進められていたものだが、今回の取引によってVVDが議員立法として提出する形に切り替わった。
野党が感じた「裏切り」
NRCの記者マルコ・デ・ハーンとファムケ・セインによる取材によれば、この「影の取引」の発覚は野党各党に強い不信感をもたらした。Pro党を含む交渉の場では複数の政党が関与していたにもかかわらず、VVDとD66の間の取引は他党に明かされていなかった。野党の一部はすでに、スホールズマ大臣が予算可決に向けて行ってきた一連の政治的働きかけに対して「ゲームのルールを逸脱している」との批判を示していた。今回の件はその不満をさらに強める形となった。
少数与党政治の現実と課題
今回の騒動は、少数与党内閣が議会で過半数を形成するために複数の政党と個別交渉を重ねざるを得ない現実を浮き彫りにしている。オランダの多党制議会では、こうした水面下の取引は珍しくないとも言えるが、交渉内容を一部の当事者にのみ開示するやり方が「政治的信頼」を損なうという批判は根強い。NRCはこの問題について「少数与党内閣が議会工作においてこうした手法を取ることは果たして賢明なのか」と問題提起している。
在蘭日本人にとって開発援助予算の動向が直接影響することは少ないが、オランダ国内政治における連立・交渉の複雑さ、そして少数与党が政権を維持する難しさを示す典型的な事例として注目に値する。日本と異なり多党が乱立するオランダの議会政治では、こうした舞台裏の取引が政策実現の鍵を握ることも少なくない。
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情報源: NRC
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