オランダ全ハボー校に実践的カリキュラムを解禁へ――職場体験で卒業率向上を目指す
パイロット事業3年の成果を受け、教育省が全国展開を容認
オランダ南西部ゼーラント州のカルフェイン・カレッジでは、ハボー(havo)の生徒が同世代の中学生に数学を教えたり、テック企業の社員ハンドブックを一から作成したりしている。こうした光景は近い将来、オランダ全土のハボー校で見られるようになるかもしれない。教育省の広報担当者によれば、今夏以降、全国すべてのハボーが実践的プログラムを提供できるようになる見通しだ。
3年間のパイロットが示した手応え
この取り組みの出発点は、教育省が3年前に開始したパイロット事業だ。カルフェイン・カレッジを含む240校が参加し、技術・福祉・経済・教育の4分野で実践的授業を試みてきた。生徒はハボー4年次(日本の高校2年相当)に分野を選択し、理論と実習を組み合わせた授業を受けた後、試験対策の最終学年では週1日、学外でインターンとして実際の業務に携わる。
同校でコーディネーターを務めるアルヤン・ウィッテ教員は「企業がどうやって車両を電動化するか、若い人材をどう呼び込むかといった実践的な問いを、生徒たちがインターン先で研究している」と語る。インターン先でテック企業の社員ハンドブックを作り上げたデクラン・オグバさんは「職場の不文律を文書化し、ハラスメント時の相談窓口も整備した。実際に役立つものが作れた」と話す。試験的な科目ではあるものの、一部の学校ではすでにこの実践科目の成績が合否判定に含まれている。
ハボーとHBOをつなぐ「橋」として
実践的ハボーを支援する組織「ハボー-P」のプログラム・ディレクター、ウェンディ・レンセン氏は、この取り組みが広がる背景をこう分析する。「ハボーの生徒は理論的な知識を実践で試したいと考えており、努力の結果をすぐに感じたいという傾向がある。それが学習意欲を高め、低下傾向にある卒業率の改善にもつながり得る」。また、ハボー卒業後に多くの生徒が進むHBO(応用科学大学)や労働市場との接続を強化することも、重要な目的のひとつだ。
教育省は今後数年で、全ハボー校の75%がこのプログラムを導入すると見込んでいる。「ハボーとVWO(大学準備教育)との違いをより明確にする意味もある」とウィッテ教員は言う。
在蘭日本人家庭への影響
オランダの子どもを持つ日本人家庭にとっても、この変化は注目に値する。現地の公立・私立ハボー校に通う子どもがいれば、今後の進路選択の幅が広がる可能性があるからだ。実践型のインターン経験は、語学の壁を越えて職場文化を体感する貴重な機会ともなる。教育の理念より、選択分野の内容や学校ごとの実施状況を事前に確認しておくことが、実際の進路相談では重要になりそうだ。
教育省の方針転換を受け、各ハボー校が新学年に向けてどのようにプログラムを整備していくか、今後の動向が注目される。
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情報源: NOS Algemeen
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