ホルムズ海峡閉鎖が続く—資源争奪戦の幕が開く
ホルムズ海峡閉鎖が続く—資源争奪戦の幕が開く
欧州では燃料高騰とシュリンクフレーション、アフリカ・アジアでは飢饉の懸念
世界の石油輸送量の約2割が通過するホルムズ海峡が、イランをめぐる戦争の影響により閉鎖状態に入った。オランダを含む欧州各国では早くもその余波が日常生活に及び始めており、専門家の間では「本格的な痛みはこれからだ」との見方が広がっている。
欧州に広がる「見えにくいインフレ」
最も分かりやすい影響がガソリン価格の高騰だ。原油の供給ルートが断たれたことで、欧州の燃料市場は需給ひっ迫に直面している。同時に、食料品や日用品の分野では「シュリンクフレーション(krimpflatie)」と呼ばれる現象が拡大している。これは価格を据え置いたまま内容量を減らす手法で、消費者には値上げが見えにくい。クッキーやスナック菓子など、棚に並ぶ商品のパッケージが小さくなっているのはその典型例だ。物価上昇と容量縮小が同時進行するなか、家計への実質的な負担は数字以上に大きい。
南半球に迫る食料危機
欧州の不満が「生活コストの上昇」にとどまるのに対し、アフリカや南アジアの状況ははるかに深刻だ。ホルムズ海峡は石油だけでなく、液化天然ガス(LNG)や肥料の原料となるアンモニアなどの輸送にも使われており、海峡の閉鎖は農業生産コストを直撃する。肥料価格の急騰は食料生産の縮小につながり、すでに脆弱な食料安全保障を持つ地域では飢饉リスクが現実味を帯びている。国際援助機関は緊急の対応を迫られる可能性がある。
「本格的な打撃」はこれから
エネルギー市場のアナリストらは、現時点での影響はまだ「序章」に過ぎないと口を揃える。石油や天然ガスの在庫は各国がある程度備蓄を持っているため、即座の供給崩壊は免れているが、備蓄が底をつく今後数か月が正念場とみられている。各国が代替ルートや代替エネルギー源の確保を急ぐ一方、資源保有国への外交的・経済的な働きかけも活発化しており、希少資源をめぐる国際的な争奪戦は事実上、すでに始まっている。
オランダに暮らす日本人にとって、当面の生活上の影響は燃料費の上昇と食料品・日用品の値上がり(あるいは容量縮小)として現れてくる。ロッテルダム港を擁する貿易立国オランダはエネルギー輸入への依存度が高く、海峡情勢の長期化は物価全般を押し上げる圧力となりうる。日常の買い物や光熱費の動向を注意深く見守ることが求められる局面だ。
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情報源: AD
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