タバコ大手がオランダの大麻実験に参入、政界に広がる懸念
マールボロを傘下に持つAltriaの関連会社が最大規模の栽培業者買収へ
マールボロブランドで知られるタバコメーカーAltria(旧Philip Morris)の関連会社が、オランダ政府の大麻合法化実験に参加する最大規模の栽培業者を買収しようとしていることが明らかになった。調査報道メディアのDe Groene AmsterdammerとInvesticoが報じたもので、この動きはオランダ政界に波紋を広げている。
タバコ資本が大麻市場に照準
問題の栽培業者は、ヘッレフォーツロイスに拠点を置くCanAdelaarで、悪臭問題でも地元に知られる大手生産者だ。上場企業のCronos Groupがこの会社の買収手続きを進めており、そのCronos Groupの大株主がAltria社である。Cronos Group自身は、現在司法安全省による完全性調査が進行中であることを認めている。
オランダの大麻実験は、コーヒーショップにおける大麻の合法的な販売が犯罪や安全にどう影響するかを検証する目的で行われている。2029年まで全国10の自治体を対象に実施され、コーヒーショップは厳格な条件をクリアした国内の認定栽培業者からのみ仕入れることができる。CanAdelaarはその主要な供給者の一社だ。
与野党から批判と懸念の声
CDAとGroenLinks-PvdAは、政府が買収を阻止するために何ができるかを問う構えを見せている。GroenLinks-PvdAの国会議員リサ・フリーヘントハルトは「規制を軽視する投資家というリスクが加わった。彼らは長年にわたって攻撃的なマーケティングを行い、健康リスクを矮小化し、科学に影響力を行使してきた」と批判した。CDA党首のボンテンバルも「タバコメーカーが今度は大麻に市場を見出しているという事実は、良いニュースではない」と述べ、業界に対してこれ以上の余地を与えるべきではないと強調した。ChristenUnieのビッカー党首は「政府が実験をきちんと管理できていない証拠だ」として、タバコ産業を通じた大麻の普及に強く反対する立場を示した。
一方、大麻実験を原則支持するD66のパテルノッテ党首は、現時点での介入には消極的だ。「タバコ会社のファンではないが、組織犯罪はそれ以上に問題だ」と述べ、数十年間の禁止政策が成果を上げてこなかった現実を踏まえ、実験の継続を訴えた。ただし広告規制などのルールを厳格に執行することが前提だとし、「将来的にはこれらの企業にきちんと課税されることを望む」とも付け加えた。VVDは実験の支持党であるにもかかわらず、今回の件については「コメントしない」との対応にとどまっている。
在蘭日本人にとっての意味
大麻実験はコーヒーショップを日常的に利用しない在蘭日本人にとって直接の影響は限られるが、実験の枠組みそのものが問われる政治的局面を迎えていることは注目に値する。買収の可否を判断する完全性調査の結論次第では、実験の運営体制や今後の政策論議に大きな影響を与える可能性がある。タバコ産業の大麻市場への参入という構図は、オランダ国内の規制のあり方、そして大麻政策の将来像をめぐる議論をさらに複雑にしそうだ。
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情報源: NOS Algemeen
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