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次期DigiD運営はEU企業限定に——内閣が安保を理由に方針決定
政治・行政 読了 2分

次期DigiD運営はEU企業限定に——内閣が安保を理由に方針決定

米国クラウド法リスクを排除、1,650万人のデジタル認証を守る

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オランダ内閣は6月、公的デジタル認証システム「DigiD」の次期運営委託先をヨーロッパ企業に限定する方針を正式に決定した。現在の運営契約が切れる2028年以降の新契約には、防衛・安全保障調達法(ADV)を適用し、入札企業に対する安全保障リスク審査を強化する。担当のエリック・ファン・デル・ブルフ内務副大臣が議会に説明した。

買収阻止から「ルール化」へ

この決定の直接的な契機となったのは、先月発表されたDigiD現運営会社Solvinityへの買収阻止だ。買収を試みたのは、IBMから独立した米国企業Kyndryl。オランダ政府は外国投資の安保審査を行う機関BTIの勧告を受け、この売却を認めなかった。

問題の核心は、米国の**クラウド法(Cloud Act)**にある。同法は、米国企業が保有するデータについて、たとえそのデータがヨーロッパのサーバーに保存されていても、米国政府が開示を強制できると定めている。EU各国政府の同意は不要だ。野党議員やNGOはかねてから、DigiDが米国資本の傘下に入れば、オランダ市民の行政データが事実上ワシントンの手の届く範囲に置かれると警告していた。今回の方針は、個別の買収を「阻止する」という事後対応から、入札段階で欧州企業のみに絞る「予防的ルール」へと転換したものだといえる。

議会からの継続的な圧力

この決定には、数か月にわたる議会側の働きかけも影響している。今年4月、プログレシーフ・ネーデルランドのバルバラ・カートマン議員は「米国の所有者がスイッチひとつでデジタル政府を停止できる状態になる」と強く訴え、買収が成立するなら現契約の更新自体を見直すよう内閣に求めた。こうした圧力もあり、政府は係争中もサービスを継続させるため、いったんSolvinityとの契約を2028年まで延長している。

ファン・デル・ブルフ副大臣は、今回の措置が「反米」的な意図によるものではないと強調した。「問題は企業が米国企業かどうかではなく、その企業が拠点を置く国がデータ開示を強制できるかどうかだ」と語っている。次の契約が正式に締結された段階で、改めて議会に報告するとしている。

在蘭日本人への影響

DigiDは確定申告(ベラステンディーンスト)、健康保険の手続き、年金、市役所への各種届け出など、オランダ在住1,650万人以上が日常的に利用する認証基盤だ。日本人居住者にとっても、就労ビザや市民登録(BSN)に関連する手続きで不可欠なシステムである。今回の方針変更はサービスの利用方法に直接影響を与えるものではないが、2028年以降の新契約先がどの欧州企業になるかによって、将来的なシステムの安定性や仕様が変わる可能性がある。政府の動向は引き続き注目に値する。

情報源: DutchNews

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