アムステルダム市、2500人削減と観光税20%引き上げを柱とする4年間戦略を発表
中道左派の新連立政権、3億4400万ユーロの歳出削減と住宅整備を同時推進
アムステルダム市の新連立政権が、2030年に向けた4年間の市政運営戦略を公表した。GroenLinks・PvdA連合(現在は「Progressief Nederland(PN)」として統合)とD66による中道左派政権で、総額約3億4400万ユーロの歳出削減を軸に、市役所組織の抜本的な見直しと市民サービスの向上を同時に目指す内容となっている。70ページに及ぶ合意文書は、「Jouw stad is mijn stad. Ons Amsterdam(あなたの街は私の街。私たちのアムステルダム)」というスローガンのもとにまとめられた。
2500人削減と組織再編の狙い
最大の注目点は、2031年までに正規職員換算で2500人分の人員削減を段階的に実施するという方針だ。削減対象は主に政策立案・管理職・広報・調査・助言といった高給ポストに集中させるとしており、現場の対市民サービス部門を温存する意図が読み取れる。GroenLinks党首のジータ・ペルス氏は市南東部の公共図書館で戦略を発表し、「市は市民のためにサービスを提供する組織でなければならない」と強調。D66党首のメラニー・ファン・デル・ホルスト氏も「市は結果を出さなければならない」と述べ、行政の効率化への意志を示した。観光税の段階的引き上げや駐車料金の値上げも収入確保策として盛り込まれており、固定資産税については住宅所有者への増税を行わないことも明言された。一方、駐車スペースを約1万か所削減し、シェアサイクルやカーシェアリングへの投資を進める方針も打ち出されている。
住宅政策と家賃規制の強化
住宅問題もこの戦略の核心に据えられている。前執行部が掲げた2030年までに6万8000戸の新規住宅建設という目標は引き継がれ、今後15年間の計画策定が進められる。重点は中間層向け賃貸住宅、高齢者向け住宅、ファミリー向けの広い住居に置かれ、大型住宅の分割改修や既存建物への増築を容易にする制度整備も検討される。市長選に向けた選挙戦で「悪質な家主の取り締まり」を公約の柱に掲げていたペルス氏は、住宅戦略の担当執行委員として約2万戸の家賃実態調査を実施する考えを既に表明している。なお、今回の新体制では執行委員の数が従来の8名から9名に増員され、うち3名をD66が、6名をPNが占める。新任5名のうち、現職国会議員のエスマ・ラフラ氏を教育・青少年サービス担当に充てる人事は議論を呼んでいる。
大都市連立交渉の中でアムステルダムが先行
今回の戦略発表で、アムステルダムはオランダ主要5都市の中で最も早く新執行部の4年間戦略をまとめた都市となった。ハーグでは最大政党Hart voor den HaagとD66の交渉が2度決裂し、先行きが見通せない状況が続く。ロッテルダムでは右派VVDが交渉から離脱したものの、その後PN・D66・VVD・CDA・Voltで再交渉が始まった。ユトレヒトとアイントホーフェンでも交渉は継続中だ。在蘭日本人にとって直接関係するのは観光税の引き上げと17歳以下の公共交通無料化だろう。ホテル宿泊や観光施設の利用コストが今後数年で段階的に上昇する一方、子育て世帯には交通費の負担軽減という恩恵が見込まれる。市の財政と市民生活の両立を目指した今回の戦略が実効性を持つかどうか、今後の実施状況が問われることになる。
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情報源: DutchNews
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